目次
・資本主義を閉じるために今できること
水野和夫(法政大学法学部教授)
資本の論理と人間らしく生活する論理が乖離している現在、資本主義を正しく終わらせる方策を見つけ出すことが急務であり、そのためには、「閉じた経済圏」をつくってヒト・モノ・カネがあまり動かないようにすることだと水野氏は説く。それは、定常社会という新たな社会モデルを構想することである。
・非物質主義的転回が拓く資本主義の未来
諸富徹(京都大学大学院経済学研究科教授)
資本主義の非物質主義的転回が望ましい変化であるかどうかは、それが成長に寄与するか否かだけではなく、それが持続可能で公正な資本主義への変化を促すか否かで判定すべきだと説くのは諸富氏である。資本主義の非物質主義的転回によって、成長を維持しつつ生き残る道はあるのか。
・死してなお世界を支配し続ける資本というゾンビ
酒井隆史(大阪府立大学人間社会学部教授)
90年代猛威を振るったネオリベラリズムは、金融クラッシュの煽りを受けていったんは死んだかに見えた。ところが、2010年代を迎えると不死鳥のように蘇る。しかもより強力になって…。
〈資本〉には、「反生産」という破壊的要素があると指摘したのはドゥルーズとガタリだ。ドゥルーズとガタリによれば、「反生産の装置の浸出こそは、資本主義の全システムの特徴である。資本主義の浸出は、その過程のあらゆる次元において生産のなかに反生産が浸出することである。そして、この反生産の浸出のみが資本主義の至高の目標を実現しうるのだ」。資本主義は死なない。なぜならば、資本主義はすでに十分死んでいるからである。反生産の契機が生産を食い尽くすように、資本主義はゾンビのように死を生き続けるのだ。