目次
すぎまるがやってきた
「知る区ロード」を知るための基礎知識
知る区ロード探検隊のヒミツ
杉並区全体を遊び場にしたい!
「知る区ロード」がはずかしかった
システムの完成度こそがカギをにぎる
“お役所”で探検隊を実現させるトリック
ライバルは「ドラクエ」だ
「探検隊」募集開始
半参加型イベントに必要なもの
誰もが主役で、みんな一等賞
探検隊員のスピリッツ&ステイタス
すぎまるがやってきた
一億円もやってきた
「すぎまるマガジン」はみんなの本
エスカレートする三年目の探検隊
休憩所「みみのオアシス」完成
知る区ロードで「公開テスト」だ
新しいプログラム「まわれ! じどうかん」
'91 ・すぎなみタイムカプセル計画
'92 ・オリンピックで復活した「知る区ロードの日」
「すぎまるショップ」大繁盛
探検隊でまちが元気になった
知る区ロードの探検家たち
女の子が優勢だ
ほんとうにいろいろな探検家たち
知る区ロード奇跡の条件
ひたすら感謝!
仕事としての知る区ロード
すぎまるはどこへ行く
あとがき
前書きなど
かつて自分の職業として夢想したことがあるものといえば、雑誌の編集者、コピーライター、小学校や塾の教師、建築家などがあります。それらのすべてを、役人という肩書きのまま無理矢理実現してしまったのが、知る区ロードという仕事でした。
自分に与えられた条件をどう組合わせると好き勝手なことができるのか、そのことがそのまま僕にとってはゲームだったということもできます。そして、本書で披露したように、最高にラッキーな好条件と、僕の思いと探検隊員の思いが重なりあることで、知る区ロードは奇跡的な足取りを残すことができました。僕は、とてもハッピーなプレイヤーでした。
さて、当初はまちから疎外されてしまった子どもたちを少しでも励まそうと思って始めたこの仕事も、子どもたちの潜在的なパワーそのものが、大きな波をつくり出す可能性を秘めたものであることに気付くのに、そう多くの時間を必要としませんでした。探検隊の主戦力である子どもたちこそ、優れたプレイヤーだったわけです。
汗を流して知る区ロードのルートを歩いたり、まちでおもしろいものを発見したり、夢中でカードを交換したり、すぎまるグッズを集めた探検隊員。そんなみんなのパワーから、杉並区には全国に、いや世界中に誇ることのできる新しい価値が生まれたのです。そのことを記録にとどめたいというのが、この本を書くことになった理由です。
(「あとがき」より一部抜粋)