目次
第Ⅰ部 ラテンアメリカ文学の過去・現在・未来
メキシコ現代文学
アルゼンチン現代文学
マッコンドとクラック──新しいラテンアメリカ文学をめざして
第Ⅱ部 現代ラテンアメリカ文学併走
影の傑作 / 書かない理由 エルネスト・サバト『文字と血の間で』 / 理性が眠らなければ魔物が生まれる フエンテス『コンスタンシア』 / そして、船は行く──ムーティス『不定期貨物船の最後の寄港』 / 七月のメキシコ──マヌエル・プイグの死 / グアダルーペを聞きながら──クリスティーナ・パチェーコの世界 / 遙か故郷を離れて──レイナルド・アレナス『ハバナへの旅』 / 嗚々、ロ~マンス──フエンテス『戦い』 / 救われたアレオラ / 一四九二―一九九二―描かれたコロンブス / 悪夢、吉夢、それとも、空夢?──ガルシア=マルケス『さまよう十二の短篇』 / ボルヘスとウルトライスモ──エンリケ・セルナのバーレスク / バルガス=リョサの裏切り / 遍在する果実──フエンテス『オレンジの木』 / プラネタ賞、初版二一万部── バルガス=リョサ『アンデスのリトゥーマ』 / ポール・ボウルズを魅了した作家──ロドリーゴ・レイ=ローサ / 切ない恋の物語──ガルシア=マルケス『恋と、もろもろの悪魔たち』 / 回想の六〇年代──フエンテス『ダイアナ、孤独な狩人』 / ブエノスアイレスの創造 / 目の悪夢──フアン・ビジョーロ『アルゴンの照射』 / モビー・ディックの影──ルイス・セプルベダ『世界の果ての世界』 / 帰還のエレジー──メキシコ、そして神戸 / 文明と未開──ルイス・セプルベダ『恋愛小説を読む老人』 / マヤのキャビアの呪い──R・レイ=ローサ『セバスティアンが夢見たこと』 / 愛という幻想──ガルシア=マルケス『坐っている男への愛の酷評』 / 知識人たちのぼやき──ホセ・ドノソ『象の死に場所』 / 追『試験』──コルタサル『アンドレス・ファバの日記』 / マエストロの芳醇なミステリー──デル・パソ『リンダ67、ある犯罪の物語』 / 南で、そして、南へ──セプルベダ『パタゴニア・エキスプレス』 / ジャーナリズムへの復帰──ガルシア=マルケス『ある誘拐のニュース』 / アウグスト・モンテローソ素描 / ドノソの文学的遺書──『わたしの部族の記憶をめぐる推測』 / 批評する人、される人──バルガス=リョサ『綺麗な目、醜悪な絵』 / 八歳から八八歳までの若者のための小説──セプルベダ『カモメに飛ぶことを教えた猫のお話』 / アギラル=カミンとマストレッタ / キューバからの新しい風──ソエ・バルデス『日常の無』 / 常春の町のK──ハビエル・バスコネス『プラハからの旅人』 / もう一人のメキシコの女性作家──カルメン・ボウジョーサ『ミラグローサ』 / 町の発見──J・C・ボテーロ『窓と声』 / 愛の重さ──コシアンシチ『女たちの神殿』 / ダンディの死──ビオイ=カサレス『ささやかな魔法』 / フェイントの妙──セサル・アイラ『夢』 / 描かれたメキシコの百年──フエンテス『ラウラ・ディアスとの歳月』 / 遺言──サバト『終わりのまえに』 / 国境の上で / 一九九九から二〇〇〇へ / スペイン語で書かれたドイツ小説──ホルヘ・ボルピ『クリングゾールを探して』 / 超短篇とエドムンド・パス=ソルダン / 定型への挑戦──ベネデッティ『俳句の片隅』 / ポニアトウスカとの一日 / 二〇年の留守番──ベルティ『ウェイクフィールドの妻』 / 刹那に生きる──P・J・グティエレス『ハバナの王』 / 引用で創りあげた小説──フエンテス『メキシコの五つの太陽』 / 駒を自在に扱って──イグナシオ・パディージャ『アムピトリュオーン』 / ニューヨークのラティーノ──ロベルト・ケサーダ『ビッグ・バナナ』 / 夜の暗さ──フアン・アブレウ『海の陰に』 / アレナスの声──アレナス全詩集『インフェルノ』 / 五〇ニシテ惑ウ──セサル・アイラ『誕生日』 / ホルヘ・エドワーズの来日 / 日本のフィクション、フィクションの日本 / 庭とエロス──ルイ=サンチェス『モガドールの秘密の庭』 / フィクションとノンフィクションのあいだで──ハビエル・セルカス『サラミスの兵士たち』 / 戦士のその後──オラシオ・カステジャノス=モヤ『男の武器』 / 二人のカルロス・フエンテス / アメリカとドミニカの間で──フリア・アルバレスとトルヒージョ / 書簡体の政治小説──フエンテス『鷲の椅子』 / 忘却と回顧──雑誌「マリエル」創刊二〇周年 / 権力への問いかけ──セルヒオ・ラミレス『ただ影』 / あまりに暴力的な──フェルナンド・バジェホ『断崖』 / バルガス=リョサの受賞と『ケルトの夢』 / 死後の名声──ボラーニョ現象
第Ⅲ部 ラテンアメリカ文学のさまざまな貌
既視のボマルツォ
ゲイの受容──メキシコとルイス・サパータ
スペイン語圏の文学賞
あとがき