目次
はじめに
1 執筆の動機
2 本書の概要
第1章 わが憧れの地、アフリカのサバンナへ
1 遠かった研究者への道
2 まだまだ遠かったアフリカ
3 サバンナに向けての出発準備その一—商業港湾都市ドアラにて
4 サバンナに向けての出発準備その二—首都ヤウンデにて
5 遠かったサバンナ
第2章 調査地カラマルエ国立公園
1 位置
2 気候
3 植生
4 動物相
第3章 比較採食生態学的研究
1 比較採食生態学とは
2 パタスの採食生態学的研究小史
3 予備調査
4 どこで食べ、どこで眠るのか(一)—遊動域が広いパタスと狭いタンタルス
5 どこで食べ、どこで眠るのか(二)—主要食物、水、そして泊まり木の影響
6 どこで食べ、どこで眠るのか(三)—捕食者の影響
7 どの種が何を食べるのか(一)—豆やガムや昆虫を好むパタスと種子や葉や花を好むタンタルス
8 どの種が何を食べるのか(二)—タンタルスに比べ高質の食物を選択利用するパタス
9 パタスの食性はジャーマン・ベル原理の反証か
10 人類学への適用—パタスとホモの類似性
11 どの季節に出産するのか—乾季中期に出産するパタス
12 パタスの種分化—時間的生殖隔離により急速に進んだ種分化
13 どちらの性が何を食べるのか(一)—妊娠・授乳のために蛋白質に富む食物を好む雌
14 どちらの性が食べる時間が長いのか—交尾季に採食時間が短くなる雄
15 どちらの性が何を食べるのか(二)—時間不足を補うため速く食べられる食物を好む雄
第4章 繁殖生態学的研究
1 繁殖生態学とは
2 いつ出産するのか—日中に出産するパタス
3 何歳で産み始め、何年おきに産むのか—出産率の高いパタス
4 頻繁な乳母行動の説明原理—誰が育児するのか
5 音声再生実験—アカンボウの声に無差別に強く反応する雌たち
6 特殊な観察事例—他群のアカンボウさらいと乳母行動、そして遺棄
7 頻繁な乳母行動の説明原理再考
第5章 社会生態学的研究
1 社会生態学とは
2 ヴァン・シャイックの社会生態学モデル
3 パタスの社会学的研究小史
4 誰と親和的行動を交わすのか—野生群では順位と血縁は親和的行動に影響を及ぼすのか
5 どのように敵対的交渉を交わすのか—野生群は平等的か、それとも専制的か
6 カラマルエの野生群はなぜ専制的か
おわりに
引用文献