前書きなど
《はじめに》
本書は、よく使われるポルトガル語の口語表現を日常生活のさまざまな状況や場面に応じてまとめた、ポルトガル語会話の「決まり文句」集です。
ある程度ポルトガル語を学んだ人でも、いざ誰かと話すとなるとごく単純なことで迷ってしまったり、ことばが即座に出てこなくなるといったことがよくあります。これは、実際の会話では慣用的な表現がさかんに用いられるため、書きことばを中心に据えたいわゆる「文法」ではとらえきれないことが多いからです。
その反面、たとえ丸暗記でもいいから覚えた表現を口に出しさえすれば、なんとかその場をしのげるという考え方もできます。ポルトガル語は難しいと思われがちですが、あいさつ、相づちなど、覚えやすい短いひとことからマスターしていけば、案外親しみが出てくるものです。
決まり文句をたくさん覚えたなら、次は応用です。本書中の各表現には簡単な解説が付けてあります。そこには、文型や関連語句に加え、その表現が用いられる状況について説明してあります。ひとつの文を別の文へと作りかえる応用力をつけると同時に、日本語には訳しきれないことばの微妙なニュアンスを感じとるのにお役立ていただきたいと思います。
本書のポルトガル語表現にはカタカナによる発音表記が付してありますが、カタカナでは表記しきれない発音も数多くあります。本書には全表現を収録したカセットテープが用意してありますので、これを活用し、自然なポルトガル語を聞いて話せる段階までぜひとも進んでいただきたいと思います。
最後になりますが、刊行にあたり多面にわたる配慮を賜りました(株)語研編集部の古屋隆行氏と、テープ収録に御協力いただいたジェラルド・ヒベイロ氏、加藤恵子氏に心から感謝いたします。
1998年1月
著者