前書きなど
語学学習は何よりもまず文法を習得することを中心に行われるため、必要な語彙の学習がどうしても後回しになってしまうものです。しかし、実際の運用の場では語彙力がものをいうことは意外と多く、単語が出てこないばかりにコミュニケーションが取れないということがよくあります。文法をきちんと勉強したはずなのに、思うような結果が出なくて自信を失ってしまったという経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。すでに学習した文法と語彙の知識がうまく結びついたら、どんなに心強いことでしょう。
本書は、文法と語彙のバランスのよい定着を目標に、英語の語彙学習で成果を上げてきた「晴山式」速習術を取り入れて編まれたものです。ひと通りの文法を終えてさらにスキルアップを目指したいという方や初級文法を学習しながら語彙の幅を広げていきたいという方に効果的に学習していただけるように、日常生活で使用頻度の高い【発信型】語彙1000語を例文とともに提示しました。「例文」「語義チェック」「ランダム穴埋め問題」の3段階方式によって、1000もの語を効率よく身につけることができます。また1冊を10日分に区切ってありますので、毎日はっきりとした目標を持って学習を進められます。覚えた語を使って、本が読める、メールが書ける、意思を伝えられるとなったら、きっと自信がわいてくるに違いありません。この本が皆さんにとってスペイン語学習継続の原動力になれば幸いです。
最後に、独自の語彙学習法の応用を許諾くださいました晴山陽一氏に深く感謝申し上げます。また、大量の例文をしっかりと校閲してくださった神奈川大学のアルトゥーロ・バロン氏にも厚く御礼申し上げます。そして、当時静岡の大学で働いていた私を探し出しこの企画を強く勧めてくださったのは、（株）語研編集部の故上原勇一氏でした。コーパスの処理および見出し語、必修単語の選定にご尽力いただいた上原氏には、心からの感謝と哀悼の意を表したいと存じます。
2008年2月
菊田 和佳子
