目次
第1部【写真とグラフでみる業界の躍進「海苔とともに」】全98頁
Ⅰ ここ20年間の海苔養殖(全国版)
(1)養殖の始まりから計画生産まで
(2)大量生産時代
①計画生産の実施②計画生産実施後の生産の推移③漁家経営④生産・製造技術1)海苔生産機械の進展2)酸処理(剤)技術について
(3)海苔の消費と食生活の変化
①海苔消費の移り変わり②家庭内の食生活の変化③カギ握る家庭内消費の拡大
(4)海外の海苔事情
①韓国内の生産事情と消費動向②中国の生産事情と将来展望③日本をとり巻く輸出入の変遷④海外の寿司プーム
(5)各論にむけて
Ⅱ 各県海苔養殖のあゆみ(地方版)
東日本地区
宮城・千葉・神奈川・愛知・三重・北海道・岩手・福島・静岡
瀬戸内地区
兵庫・岡山・広島・山口・徳島・愛媛・和歌山・大阪
九州地区
福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・鹿児島
海苔の由来・創始年表・海苔の日の由来
あとがき
取材協力
第2部【全海苔漁連創立50年史】全101頁
刊行のごあいさつ
1.はじめに
(1)創立までの歴史的背景
(2)海苔タイムスの刊行
(3)漁場保全の戦い
2.ノリ養殖の黎明期
(1)第2次大戦後の混乱
(2)豊橋にノリ学校開設
3.躍進・発展期の活動
(1)韓国海苔輸入問題
①韓国のノリ生産動向と日本のノリ業界②ノリ生産者のための政治活動③利権がからむ韓国ノリ輸入④社団法人のり協会の設立
(2)輸入ノリと国内生産量の推移
(3)ノリに課せられた税金等の問題
①ノリ物品税の撤廃②公共水面使用料、漁業免許料の撤廃③収益課税と標準課税④変動所得税
(4)漁業法の改正(改悪に対し反対運動)ノリ養殖業最大の危機
(5)干拓、埋立によるノリ漁場のそう失
①「諫早干拓」をはじめとし、ねらわれる浅海ノリ漁場②埋立施行者側とノリ生産者の闘い③漁業権取り消しで圧力④埋立のピークは昭和30年代後半⑤埋立交渉のマニュアル⑥ノリ漁場をおそった伊勢湾台風⑦戦いに敗れ相次いで戦線離脱⑧そして組合長ひとりが残された⑨埋立交渉にあせりは禁物⑩難航する埋立交渉を支援
4.安定期
(1)環境保全問題への取組み
①工場排水汚染、油濁被害②漁場油濁被害の年次別救済実績
(2)ノリ養殖技術向上への取組み
①浅海増殖研究中央協議会の設立②研究発表全国大会の開催③海苔養殖夏期大学の開催④「全国大会」の開催経緯
(3)海苔の消費拡大対策①「海苔の日」の制定②その他のノリ消費宣伝③「海苔の日」記念行事の経緯
(4)他団体との業務提携
5.年表(全海苔漁連、業界の出来事、一般社会)
6.付
①全海苔漁連歴代会長の紹介②特別顧問と退任した常勤役員③現役理事・監事④創設時からの歴代役員の変遷⑤施設の変遷とその経緯⑥全海苔漁連の機構と職員名簿
7.編集後記
第3部【財団法人 海苔増殖振興会創立45年史】
はじめに 長 長
1.財団法人海苔増殖振興会の設立
①財団法人の趣旨②設立発起人会と設立認可
2.基本財産の変動とその経過
①共有する「全海苔ビル」の建設②ビル、土地の売却と金融資産への転用③金融資産の運用
3.財団法人海苔増殖振興会の事業活動
(1)海苔増殖業の振興、海苔の加工流通の調査研究
①大学、水研、水試等研究機関の基礎研究に対する助成②海苔の生産費調査③加工流通及び消費動向調査④海苔の検査問題
(2)海苔の品質、等級基本研究
(3)海苔検査問題研究会
(4)海苔増殖業の保護育成に関する事業
①公害、汚水対策への取組み②ノリ消費拡大キャンペーン
(5)海苔増殖の技術向上及び普及に関する事業
①研究発表全国大会と研究会活動に対する助成②品種改良、種苗開発についての研究
4.財団法人海苔増殖振興会の歴代役員
①理事、監事、顧問、参与②評議員
前書きなど
海苔養殖は、イギリスの海藻学者K・M・ドリュー女史のカキ殻糸状体の発見で人工採苗の道を開き完全養殖化に至っている。
とはいえ、それまでの天然採苗時代にも、多くの著名な研究者や海苔生産における大先達が骨身を惜しまぬ努力を続け、その積み重ねがその後の数々の技術開発に結びついたことは言うまでもない。これは海苔という海藻に秘められた魅力が、時代を超えて人々に愛された証(あかし)とも言える。
海苔に携わる私たちは、海苔が単に生活の糧と言うばかりではなく、海苔を通して生物学、栄養学、歴史、技術ばかりか社会や人との交流までも学んできた。他の産業にも数々の天与の産物はあろうが、私たちが携わる海苔は、他に抜きんでても、決して引けをとるものでないことを誇りに思う。
海苔養殖300年の歴史のなかで、戦後、半世紀の間に訪れた業界の変化は、それまでとは隔世の感があった。そしていま、大量生産時代という内憂に、消費構造の変化という外患のなかで新たな船出の時を迎えている。
本書は、 こうした状況下に全海苔漁連創立50周年を記念し発刊した。この「写真とグラフでみる業界の躍進・海苔とともに」は、創立20周年、30周年に合わせて出版された 「写真とグラフでみる海苔養殖」に次ぐものとして、昭和50年代以降の変化を中心にとりまとめた。まず総論として生産から消費、海外の海苔生産事情にスポットを当て、さらに各論としては各県ごとに、養殖の歴史、現況、問題点と将来展望をとらえ、業界の大きな変化を現場から紹介した。
時代は質的、量的に変化を加えながらも臆面なく繰り返されるものである。海苔は伝統食品の名にふさわしく生産から消費の変化の中でしつかりとした足場を築いている。今後どんな障壁が海苔養殖に立ちふさがろうと、私たちは後世にこの素晴らしい食品を残さなければならない。それが現在を生きる我々の大きな責務でもある。
さて本書には、写真とグラフでみる業界の躍進のほか、生産者とともに歩んた全海苔漁連の50年の歴史、(財)海苔増殖振興会の45年史が収められた。歴史を知るうえでの手引書となり、海苔とともにこれからも歩み続ける一つの節目になり得るとしてあわせて刊行された。海苔という産業が現在どんな位置づけにあり、今後どう進むべきか、本書が改めて真剣に、明日の業界を考えるための参考となり得れば、発刊者として望外の喜びである。
【発刊のことば】より