目次
序章 オルハン・パムクの憂愁の向こう
第一章 視線の交錯する都市
1 近世イスタンブルの成立
2 近世イスタンブルへの眼差し
3 視線の交錯点
第二章 近世イスタンブルを歩く
1 近世「帝都圏」
2 近世イスタンブルの都市空間
第三章 詩人の眼差し、楽土の都
1 オスマン詩人とは何者か
2 世界に唯一にして似たもの無き都市
3 天の園に比せられる楽土の都
第四章 支配者の眼差し、下郎の巷
1 当世批判と庶民
2 酒場、珈琲店、メジリス:都市の社会的結節点への眼差し
3 庶民の生業への眼差し
4 下郎の巷の紳士たち
5 オスマン帝国の文化的選良層における帝都:「楽土の都」と「下郎の巷」
第五章 庶民の眼差し、俗信の都
1 庶民の世界を覗くには
2 アヤズマとエユプ伝説
3 帝都の狂人たち
4 奇譚の憑代、奇物
5 日常生活の裏に潜む俗信の都
第六章 異邦人の眼差し、箱庭の中の冒険
1 西欧人とオスマン帝都イスタンブル
2 異教・キリスト教古代への眼差し
3 「トルコ帝国」の異文化への眼差し
4 voyageとtourの狭間、箱庭の中の冒険
終章 多元性の都市イスタンブル
1 歴史的重層性に拠った多元的言説空間
2 多元的言説空間の終焉