目次
はじめに
首のすわるころまで
見つめ合う
ほほえみかける
話しかける
人の声をたくさん聞かせる
赤ちゃんの「聞く」力
赤ちゃんの好きな音
歌うように語りかける
歌を歌う
眠らせ歌
赤ちゃんの声を返してあげる
幼児音と幼児語
言葉は五感とともに
もっと気楽に
テレビ 1歳までは百害あって一利なし
おわりに
前書きなど
「あやすって何ですか?」と保育科の学生さんにきかれます。「赤ちゃんと遊べって言われたって…、こんなふにゃふにゃの赤ちゃんとどうやって遊ぶんですか?」と若いお母さんにきかれます。結婚するまで身近に赤ちゃんの扱い方を見る機会のなかった方々には当然のことです。子どものころからテレビと共に育った若い親御さんたちにとって、テレビが赤ちゃんの育ちを邪魔しているなんて考えられないかもしれません。
「あやす」という言葉は「綾なす」という言葉からきているのではないかと私は思っているのですが、語源はともかく、あやすというのは、私たちと赤ちゃんが向き合って言葉を通わせ、心を通わせ、綾なすようにかかわっていくことだと思います。
生まれたばかりの赤ちゃんが、まわりの人たちとのかかわり方を学んでいくのに「わらべうた」が大きな役割を果たします。「わらべうた」は子ども同士が遊ぶときに歌う歌でもありますが、赤ちゃんのときは主に大人が赤ちゃんに唱えてあげる言葉であり、歌ってあげる歌です。それは地方によっても異なりますし、時代によっても変わってきているでしょう。でもまわりの大人が、赤ちゃんの人間としての育ちを助けるために、語りかけ、歌いかけるという点では、変わっていません。
私たちが赤ちゃんに語りかける、ゆっくりとリズミカルに…、それがもう「わらべうた」です。「私のわらべうた」でいいのです。「わらべうた」をたくさん歌ってあげましょう。