目次
前口上【東雅夫】
第1部 吸血鬼 vs. ヴァンパイア
無声映画と溢れる分身―懸賞映画小説「踊る幻影」の世界【西川貴子】
ヴァンパイアをめぐる〈皮膚〉と美醜の問題―ルスヴン、クラリモンド、カーミラ、ドラキュラを中心に【森口大地】
吸血鬼をヴァンパイアと呼ばなかった男―ラフカディオ・ハーンと血を吸う怪物たち【下楠昌哉】
第2部 この世のあわいの英詩の園で
死の床に横たわりて―「物」としてのジョン・ダンの生と死の身体【友田奈津子】
循環するコモンプレイス―初期近代読書文化と『妖精の女王』第一巻【円浄ゆり】
イギリス・ロマン主義とゴシック―ワーズワスの『ソールズベリー平原』を中心に【金津和美】
幕間 「首なし騎士」に魅せられて【東雅夫】
第3部 メイク・アメリカ・ファンタスティック
女が語り始めるとき―エドガー・アラン・ポーと霊との交信【池末陽子】
セアラ・オーン・ジュエットの幻想小説―哀しい怪物たちと恐ろしい人々【斎藤彩世】
ルイーザ・メイ・オルコットが描く「ミイラの呪い」【吉田朱美】
『オズの魔法使い』における虚偽と政治の可能性―日本文学との比較をとおして【山辺省太】
第4部 英国とアイルランドの「あなたの知らない世界」
人を撮るカメラ、人を撃つカメラ―E・W・ホーナング『カメラの悪魔』【金谷益道】
寄る辺ない者たち、共闘せよ!―フラン・オブライエン『第三の警官』における自転車との接続【遠藤徹】
反転する別世界―C・S・ルイスの『魔術師のおい』とスザンナ・クラークの『ピラネージ』における対照的な他者性【野田ゆり子】
曖昧になる生と死の境界線―ローラ・パーセルの『象られた闇』【諏訪暁】
対談【下楠昌哉×東雅夫】
執筆者紹介(東雅夫によるメール・インタビュー)
あとがき