紹介
古今和歌集、源氏物語とともに、日本文化に大きな影響を与え続けてきた伊勢物語。
王朝歌物語がもつ魅力のすべてがわかる、初の事典!
◉物語中の語句を取り上げる「項目編」と、さまざまな角度から物語に迫る「解説編」の2部構成。
◉項目編は、人名・地名・ことば、350項目超を収録。
事柄の内容説明にとどまらず、作中での用いられ方も詳しく紹介。
◉解説編は、6つの大きなテーマを設定。
作品の面白さ、成立の過程、書誌情報、作品が伝えられてきた歴史、他作品との関わり、文学分野以外への広がり等々、伊勢物語への理解がいっそう深まる。
◉物語の全文を収録。要約もついて便利。
【推薦】川上弘美さん
「『伊勢物語』にすでに親しんでいるひとも、まだあまり親しんでいないひとも、この事典を手にとって読んでゆけば、きっと新しい何かを発見するはず。わくわくする事典です!」
目次
はじめに
伊勢物語が生み出したもの……山本登朗
各章段のあらましと本文……山本登朗・重見未津帆
項目編(人名・地名・ことば) *細目後掲
解説編
●Ⅰ 作品世界
1 語り手……陣野英則
2 恋……妹尾好信
3 友情……山本登朗
4 家族……藤井由紀子
5 宮仕え……山本登朗
6 旅……鈴木隆司
7 狩……井内健太
8 東国……内田美由紀
9 手紙……惠阪友紀子
10 涙……岸本理恵
11 死……横溝博
12 神祇……韓正美
13 笑い……マルティン・ティララ
●Ⅱ 成立と背景
1 伊勢物語の成立・増補と古今集……山本登朗
2 「初冠本」と「狩の使本」……渡辺泰宏
3 伊勢物語と業平集……鈴木隆司
4 伊勢物語と万葉歌……山本登朗
5 伊勢物語と古今和歌六帖……田中智子
6 伊勢物語と中国文学……北山円正
7 伊勢物語と唐代伝奇小説……仁木夏実
8 伊勢物語と史実……浅尾広良
●Ⅲ 伝本と注釈
1 伝本……久保木秀夫
2 古筆切……田中登
3 版本……高木浩明
4 注釈史(平安時代~鎌倉時代)―主要注釈書一覧・解説……藤島綾
5 注釈史(室町時代)―主要注釈書一覧・解説……青木賜鶴子
6 注釈史(江戸時代)―主要注釈書一覧・解説……西田正宏
●Ⅳ 享受と伝説
1 絵巻・絵本……田中まき
2 伊勢物語とジェンダー―『白描伊勢物語絵巻』における〈女の眼差し〉……ジョシュア・モストウ(訳・今井和彦)
3 伊勢物語かるた―五つの特徴……藤島綾
4 伝説(平安時代~室町時代)……山本登朗
5 伝説(江戸時代~現代)……近藤さやか
●Ⅴ 伊勢物語とその後
1 伊勢物語と源氏物語……高木和子
2 伊勢物語と平安物語……小林理正
3 伊勢物語と中世物語……金光桂子
4 伊勢物語と平安和歌……瓦井裕子
5 伊勢物語と中世和歌……小山順子
6 伊勢物語と説話……田中宗博
7 真名本伊勢物語と河海抄……松本大
●Ⅵ 伊勢物語のひろがり
1 伊勢物語と能……泉紀子
2 伊勢物語と狂言……中尾薫
3 伊勢物語と連歌……長谷川千尋
4 伊勢物語と俳諧……河村瑛子
5 伊勢物語と浄瑠璃……川端咲子
6 伊勢物語と近世文化……鈴木健一
7 伊勢物語を英訳するということ……ピーター・J・マクミラン(訳・原田明和)
8 世界文学史上の伊勢物語―ロマンチックな恋の誕生……マルティン・ティララ
平安京周辺図/畿内付近図/全国図……重見未津帆
●項目編細目(分野別)
【人名】
在原行平/伊都内親王/賀陽親王/紀有常/光孝天皇/惟喬親王/貞数親王/人康親王/淳和天皇/清和天皇/崇子内親王/恬子内親王/仁明天皇/藤原明子/藤原国経/藤原順子/藤原高子/藤原多賀幾子/藤原常行/藤原敏行/藤原良近/藤原基経/藤原良房/源至/源順/源融/もちよし/文徳天皇
【地名】
芥川/浅間の山/芦屋/姉歯の松/逢坂の関/天野川/安祥寺/生駒山/伊勢の国/和泉の国/入間の郡/右近の馬場/宇津山/おきのゐ/大原野神社/大淀/春日野/春日の里/交野/賀茂川・鴨川/紀伊国/栗原/後涼殿/五条/信夫山/塩竃/須磨/隅田川/住吉/住吉郡/住吉里/住吉の浜/摂津国/芹川/染川/高安/竜田・竜田山・竜田川/たはれ島/千里の浜/筑紫/長岡/渚の院/難波/奈良の京/西の京/布引の滝/比叡の山/東山/深草/富士の山/御手洗川/陸奥・陸奥の国/水無瀬/都島/みよしのの里/武蔵野/菟原の郡/八橋/山崎/六条/井手/小塩の山/小野
【ことば】
県/秋の夜/朝顔/足ずり/葦辺/仇/あだ比べ/東/兄/あばら/朸/海人/尼/天雲/天の川/天の逆手/天の羽衣/あやめ/在原/漁り火/板敷/飯匙/家刀自/色好み/色許す/宇佐の使/鶉/上書き/初冠/産屋/袍/梅/梅壺/えびす心/翁/落ち穂拾ふ/弟/おのが世世/大御息所/大御幸/面影/およびの血/御衣/陰陽師/かいま見/杜若/笠/瘡/飾り粽/柏/風/片敷く/形見/かたゐ/片田舎/かづく/桂/川島/かはづ/土器/楓/雷/神無月/神代/巫/瓶/賀茂の祭/枳/雁/狩/狩衣/狩の使/乾飯/菊/雉/きつ/草の庵/くた鶏/沓/宮内卿/国の守/桑子/倉・蔵/車/紅/願/官人/現形/けこのうつはもの/煙/こけるから/心の闇/御達/近衛府/籠もり江/声/斎宮/曹司/盃の皿/桜・桜花/酒/さらぬ別れ/四十の賀/祗承/下簾/下紐/じちよう/倭文の苧環/死出の田長/しのびありき/しのぶ草/しのぶ摺/師走の晦/潮/塩尻/島/清水/白玉/随身/すき者/修行者/簾/摺り衣/逍遙/兄/関・関守/前栽/禅師/袖/そほ降る/田/題/鷹/鷹飼/高坏/竹/橘/鶴/七夕つめ/魂/玉かづら/たまのを/たらひ/中将/中納言/血の涙/ついひぢ/続松/月/筑摩の祭/つくも髪/造り枝/蔦かへで/筒井/局/露/つれづれ/殿上/東宮の女御/東宮の御息所/舎人/主殿司/友・友だち/鳥の子/内記/流しつかはす/九月/ながむ・ながめ/渚/七七日/涙川/貫き簀/盗人/濡れ衣/呪ひごと/初草/花の賀/花の林/母/葬/浜びさし/祓へ/ひじき藻/人の国/鄙ぶ/日折の日/笛/藤/藤原/舟/文箱/振り分け髪/ふるさと/星/蛍/仏の御名/ほととぎす/蒔絵/松/まめ男/親王/水くくる/水口/水無月/蓑/御室/都鳥/御息所/宮仕へ/みやび/海松/みるめ/身を知る雨/むぐらのやど/婿がね/武蔵鐙/睦月・正月/むばら/馬の頭/馬のはなむけ/紫/裳/藻/もの病み/紅葉/唐船/山の端/やもめ/やよひのつごもり/雪/行く水に数書く/弓/夢/よしやあしや/世人/詠む/夜のもの/緑衫/禄/若草/忘れ草/渡し守/わらはべ/われから/井筒/田舎/田舎わたらひ/井のもと/絵/衛府の督/衛府の佐/男/女/女方許す/女車/女はらから