目次
素人と玄人の差は「間」ですね
物事は完璧じゃあいけない
日頃の自分の心の在り方が舞台に出てくる
自分の節を持っていない音楽家は駄目だ
芸の年輪は滲み出てくるもの
芸の年輪を感じさせないのが本物じゃないか
歌に基本がないと観客を感動させることは出来ません
版画というのは他力の世界です
写真は自分の心を通して写すということ
荒唐無稽の馬鹿々々しさが面白いんです
色彩感の豊富な作曲には管弦楽が必要
命のない人形を動かし、芝居させる
体操の理想像は直線美
歌舞伎・日本舞踊は江戸の習俗
芸術における技は生命につながる
日本のオペラは日本語で
漫画家はどんなに年をとっても若さを失ったらダメ
声楽家は普段の生活から変えよ
無我夢中で振り付けを忘れ…
三十五歳で芝居に入り五十歳で演技開眼
小が大を制す「技」が魅力
技術を覚えておいてそれを殺すことが大事
長い年月の間、勝ち負けがありまた自然が出てくる
すべて風格ってのは、実は「間」なんですよ
伝統芸能は経済芸術ではないはずだ
プロレタリア演劇から一筋の道
電気屋ではなく、照明家でありたい
無字幕映画こそサイレント映画の最高作
限度を発見することが、デザインの究極
義父・坪内逍遙のことなど
芸というもの技術というもの 柔軟性及び柔らかい動きについて
筋肉と大脳の秘密
前書きなど
はじめに
日本に於ける現代舞踊の草分け、江口隆哉(1900~1977)は、現代舞踊の普及のため、自費で月刊「現代舞踊」を出版(1953~1972)していましたが、その中で特別企画「芸のこと、技のこと」として1965年2月(第1回)より1968年5月(第30回)までの間に30名の各界芸術家と対談いたしました。当時、江口隆哉の秘書であった私は、自己流の速記で対談を記録しました。知識不足の私ではありましたが、30名の方、それぞれの話しかたのリズムの特徴だけはしっかりとらえて原稿にしたつもりです。
尚、同誌に執筆された江口隆哉の芸論、そして舞踊家の身体の動きに関する対論も併せて、ここに編集復刻いたしました。
出版につきましては作曲家・今井重幸氏、舞踊家・日本女子体育大学准教授・坂本秀子氏他のご協力をいただきました。
舞踊家・日本女子体育大学名誉教授・金井芙三枝