紹介
江戸時代の初期、備前岡山藩を舞台にした物語。
徳川三代、家光の頃には幕府の政権も確立し、戦のない時代を迎えていた。武士の地位も固定化した。
岡山藩主・光政は、実質石高を上げるために新田開発を行う一方、領民引き締めのために幕府命令の吉利支丹(きりしたん)弾圧に加えて、儒教崇拝から不受不施派の壊滅に力を注いだ。
城下の南東部では大規模な新田開発が行われ、その用水確保のため吉井川に田原井堰が造られることになり、田原用水・益原用水が引かれるなど、高い技術の大型工事が相次いだ。。
そうしたなか、百姓の身だが自己流で剣術稽古し、自由な発想と生き方をする若者・木葉新三郎は、川普請で活躍し武士に登用される。
大坂から招かれた石工・河内屋治兵衛、総奉行・津田永忠ら実在の人物とふるさとに生きる若者・新三郎が織りなす歴史物語。