目次
Ⅰ 2人の金田一耕助~石坂浩二と渥美清~
「獄門島」
岡山県笠岡市、六島
「八つ墓村」
岡山県新見市、高梁市、鳥取県日野町
Ⅱ 少女たちの胸のときめきが聞こえたあの街角
「時をかける少女」
広島県竹原市
「天然コケッコー」
島根県大田市、浜田市
「書道ガールズ!!わたしたちの甲子園」
愛媛県四国中央市
Ⅲ 変わりゆく瀬戸内の小島といやしの島・小豆島
「八日目の蝉」」
香川県小豆島
「故郷」
広島県呉市倉橋島
「二等兵物語~死んだら神様の巻~」
岡山市岡山大学構内、倉敷市釜島
Ⅳ 陽光きらめく瀬戸内の港町
「春の雪」
香川県高松市
「青春デンデケデケデケ」
香川県観音寺市
「花田少年史~幽霊と秘密のトンネル~」
広島県竹原市
「きな子~見習い警察犬の物語~」
香川県丸亀市、善通寺市、三豊市
Ⅴ 男の意気地がぶつかりあった熱い場所
「海猿」
広島県呉市
「ラスト サムライ」
姫路市書写山円教寺
「DIVE !!」
倉敷市児島
「県庁の星」
岡山県高梁市
Ⅵ 寅さんが愛した小京都の女
「男はつらいよ 寅次郎と殿様」
愛媛県大洲市
「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」
兵庫県たつの市
Ⅶ 日本の原風景に出会える出雲と奥出雲
「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」
島根県松江市、平田市、出雲市
「砂の器」
島根県雲南市
Ⅷ ロケの名所・倉敷の多様な顔
「北斎漫画」
倉敷市美観地区
「バージンブルース」
岡山市後楽園、倉敷市
「トラック野郎 天下御免」
倉敷市西阿知
Ⅸ 原爆の悲劇と平和への祈り
「夕凪の街 桜の国」
広島市
ドラマ「ありがとう!ふるさと」
新見市
前書きなど
読者の声に促され、取材エリアを岡山、香川、広島3県から愛媛、兵庫、鳥取、島根まで広げました。DVDから抜き撮りしたプリント写真を手に、ある時は電車で、ある時はドライバーを引き受けてくれた奥方の車でロケ地に行き、大好きな映画と一緒に旅をしました。
金田一耕助(石坂浩二)の愛した女が住んでいた瀬戸内の小島を、芳山和子(原田知世)が、花田一路(須賀健太)が駆け抜けた竹原の通学路と忠海の街なかを、右田そよ(夏帆)が転校生に胸をときめかせた石見の一本道を、秋山恵理菜(井上真央)が癒された小豆島を、石船の船長・石崎精一(井川比佐志)、民子(倍賞千恵子)夫婦の故郷・倉橋島を、ちっくん(林泰文)たちのデンデケデケデケのサウンドが響きわたった観音寺を、仙崎大輔(伊藤英明)が海上保安官になるために汗を流した呉市の200階段を、オールグレン(トム・クルーズ)と勝元(渡辺謙)が火花を散らした書写山円教寺を、寅さん(渥美清)が歩いた小京都を、49歳で運転士になった筒井肇(中井貴一)の再出発の地・出雲を、石川七波(田中麗奈)が父の後を追いかけて歩いた広島を……。
昭和33年公開の「二等兵物語~死んだら神様の巻~」から平成23年の「八日目の?」まで各年代に渡る25作品のロケ地を巡る旅は、映画の歴史を、地域の歴史を、そして自分史をたどる旅でもありました。楽しい旅でした。なつかしさと同時にさびしさを味わう旅でもありました。
「齢を重ねると、齢を重ねた街に行ってみたくなる」。(NHK「もういちど、日本」より)。そんな街が大好きな映画のロケ地ならいうことはない、を実感する旅でした。