目次
1 猿の尻尾の短いいわれ6
2 日本一の屁こき爺12
3 鬼の飯炊きになったおばあさんの話
18
4 るいやんの話22
5 時鳥と兄弟①31
6 時鳥と兄弟②35
7 雀とキツツキ36
8 ウサギと猿とカワウソ40
(参考話)正月買い物の分配52
9 ヒバリ牛飼い59
10 狐とひき63
11 狼と泥棒70
12 田の久兵衛76
13 にせ本尊89
14 お柳とおりん①99
(参考話)でんか、おきゅうか101
15 お柳とおりん②103
16 ヒョットコショ104
17 こうこうで湯加減106
18 長い話―天から褌108
19 短い話108
20 家老と歌109
21 福谷と星山112
22 ぼた餅の縁114
23 狐が食うたと兎が言うた118
24 狐話―月に化ける121
(参考話)
狐に化かされる―月の出125
25 大蛇に出会う127
26 蛇の鳴き声129
27 初めて汽車に乗る134
28 珍しかった汽車136
29 珍しかった自動車139
30 電気子140
解 説143
あとがき160
など全45話
前書きなど
本書に収載した民話の語り手の牧馨さんは、私のおじである。父・立石正志のすぐ下の弟で末っ子でもあり、私の生家にも、子どものころ、よく訪ねて来られた。話しぶりが父とよく似ていて、やはり兄弟だと思ったのであった。
牧馨さんからは、一九八五年三月から八月にかけて三回訪ねて民話を採録した。それに一九五七年に採録したものを加えて本書にした。
『なんと昔があったげな』の「あとがき」で、次のように記している。「昔話の語り手と聞き手の間に流れる暖かいコミュニケーションは、子供たちの人格の形成にどんな大きな役割を果したことであろう」と。同書の発刊から四十五年、今日でもその考えはいっそう強くなっている。そんなこともあって、自らも語りを行い、語り手養成にも力を注いでいる。本書がコミュニケーションづくりや語りの活動にも活かされれば幸いである。