目次
女子教育の歴史と課題/大黒トシ子(山陽学園大学学長)
現代中国の教育事情/班 偉(山陽学園大学教授)
上代淑の教育理念と実践/濱田栄夫(山陽学園大学教授)
上代淑とエスペラント運動/山根智恵(山陽学園大学助教授)
葬送の歴史/難波俊成(山陽学園大学非常勤講師)
アダムス女史/更井哲夫(岡山博愛会理事長)
石井十次/畑岡 隆(山陽学園短期大学助教授)
安部磯雄・新渡戸稲造/中村光男(山陽学園大学教授)
大西 絹/中井真理子(山陽学園大学教授)
長島愛生園の歴史/阿部紀子(山陽学園大学非常勤講師)
中川横太郎と炭谷小梅/太田健一(山陽学園大学特任教授)
前書きなど
ま え が き
本学では、例年社会サービス事業の一環として公開講座を開催していますが、一昨年度からその講座内容を集録し、今年度で3回目の刊行となりました。これを社会サービスセンターでは大変有益な資料として活用しておりますが、今年度は学園創立一二〇周年に当たり、記念すべき出版となりました。
今年度の公開講座は、6月3日から7月15日の土曜日毎に開催しましたが、学内外から11名の講師をお迎えして大変充実した内容でした。そこで今年度も各講師にお願いしてその講演内容を集録し、このたび続刊を発行する運びになりましたことは喜ばしい限りでございます。
蒸し暑い時期の講座にもかかわらず熱心にご講演頂いた講師の方々、および最後まで熱心に聴講された受講生の方々には頭が下がる思いでした。
「愛と奉仕」を建学の精神として設立されて120年に及ぶ山陽学園から大学が生まれて既に12年、短大は37年になりますが、年々生涯教育への社会的関心が高まりつつあり、本学では教員の研究成果をより広く市民の方々にお伝えするために、毎年「公開講座」を学内および学外で積極的に開催して参りました。学園としましてはいよいよ一二○周年を迎えますが、そのような中で大学・短期大学は開かれた大学として学問内容を地域に広げながら、より豊かな社会、より充実した生活を市民の方々と共に創造していきたいと考えています。
今年度の公開講座のメインテーマは、学園創立一二〇周年にちなんで教育を取り上げ、「日本の教育・岡山の女子教育」でしたが、第1週6月3日の「日本の教育・中国の教育」から始まり、第2週6月10日は「上代淑の教育」であり、第3週6月17日には学外に出かけ、「東山墓地」を散策して葬送の歴史を学びました。さらに第4週の7月1日には「上代淑とその周辺(1)」として「アダムス女史」と「石井十次」、第5週の7月8日には「上代淑とその周辺(2)」として、「安部磯雄・新渡戸稲造」と「大西絹」、そして最終日の7月15日には「上代淑とその周辺(3)」として「長島愛生園の歴史」と「中川横太郎・炭谷小梅」というテーマで、それぞれ毎週2人の個性豊かな講師による講座を開催致しました。
どの講演も本学内外の講師陣による大変幅広い講座内容で、大勢の社会人が参加され、最終回まで受講された方々が殆どでした。そして受講者はこの講座を通じて日本の教育や岡山の女子教育を見直し、新たな発見をされ、それぞれ個性的な視点から豊かな知識を吸収されたことでしょう。大勢の講師の先生方にはそれぞれ大変豊富な資料と豊かな内容のご講演を頂き、心から感謝申し上げます。
なおこの講座には岡山県、岡山市、倉敷市各教育委員会およびNHK岡山放送局、倉敷ケーブルテレビ、山陽新聞社、朝日新聞岡山総局、毎日・読売新聞社岡山支局、岡山リビング新聞社、吉備人出版、大学コンソーシアム岡山が後援して下さって開催できたことを記し、後援者の方々に厚くお礼を申し上げます。また社会サービスセンター長はじめ種々お世話頂いた関係諸氏のご尽力、及び協力して頂いた学生の方々に心から謝意を表し、この講演集が今後の公開講座の発展に資することを願って、第三巻刊行のご挨拶とする次第です。
平成18年10月1日
山陽学園大学・山陽学園短期大学 学長 大黒 トシ子