紹介
◆CFRPを中心とした炭素繊維複合材からの炭素繊維回収技術とその再利用の最新動向を追う!◆SDGs達成に向けた炭素繊維の再生技術、再生炭素繊維の新規用途の現状を体系的に解説!◆最新の炭素繊維リサイクル技術とそれを用いた複合材料の開発、社会実装における課題やメーカの取り組みも詳解! 軽くて丈夫なCFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、最高度のパフォーマンスが要求される航空宇宙産業やF1レース等の競技用スポーツ分野で使用されてきたが、温室効果ガスの排出量削減が最も重要な地球環境の問題となっている現在、CFRPの優れた特性を活かして軽量で省エネルギーな交通機関や超大型の風力発電施設への応用が検討されている。 一方で、炭素繊維は2,000~3,000℃の高温で炭素を黒鉛化させるため製造時に膨大なエネルギーが消費されるほか、難燃性であるため工程廃材や使用済み製品を適正処理することは困難で大部分が埋め立て処理されている。そのためCFRPを一般工業製品に広く利用するためには、製造エネルギーを大幅に削減するとともに、製品の長寿命化や修理・メンテナンスのしやすさが不可欠であり、また工程廃材や使用済み製品をリサイクルすることにより、CFRPのライフサイクル全体を通しての環境負荷を低減することも求められている。 本書では、CFRPのリサイクル技術に特化、ゼロカーボン・資源循環型社会を目指したCFRPリサイクル技術の構築と大学・公的機関・産業界での社会実装への取り組みを紹介する。完成品メーカー、リサイクル業者、素材メーカーそれぞれの立場における今後の研究・技術開発の指針となる1冊。【主な目次】第1章 CFRPのリサイクル技術と産業動向第2章 熱分解によるCFRPリサイクル技術第3章 液中によるCFRPリサイクル技術第4章 試験手法とCFRP設計/加工技術第5章 再生炭素繊維を利用した材料開発第6章 リサイクル炭素繊維の生産・成形技術第7章 業界におけるCFRPリサイクルの取り組み
目次
第1章 CFRPのリサイクル技術と産業動向
第1節 CFRPのリサイクル技術・再生炭素繊維活用の現状と課題
第2節 国内における炭素繊維産業(リサイクル炭素繊維含む)の動向
第2章 熱分解によるCFRPリサイクル技術
第1節 いぶし瓦焼によるCFRPリサイクル技術
第2節 半導体の熱活性(TASC)効果を利用したCFRPのリサイクル
第3節 電気パルスを用いたCFRPの解体および炭素繊維の回収
第3章 液中によるCFRPリサイクル技術
第1節 高温高圧水によるCFRPリサイクル技術
第2節 超臨界流体法によるCFRPリサイクル技術
第3節 常圧溶解法によるCFRPリサイクル技術
第4節 溶媒法によるCFRPリサイクル技術
第4章 試験手法とCFRP設計/加工技術
第1節 再生炭素繊維適用可能な引張特性試験手法
第2節 リサイクル・リユース容易なCFRP設計・製造技術
第3節 熱可塑性CFRPの量産・再生のための加工技術
第5章 再生炭素繊維を利用した材料開発
第1節 再生炭素繊維を利用したカーボン-金属複合材の開発
第2節 再生炭素繊維を原料とした連続繊維強化複合部材の開発
第3節 リサイクル炭素繊維を原料とする樹脂系複合材料の開発
第4節 リサイクル炭素繊維を原料としたカード式不織布の開発
第5節 再生炭素繊維を原料とするCFRP自動車部材の開発
第6節 新規相溶化剤を用いたリグノセルロース繊維-リサイクル炭素繊維ハイブリッド材料の開発
第6章 リサイクル炭素繊維の生産・成形技術
第1節 リサイクル炭素繊維を用いた成形品製造技術
第2節 リサイクル炭素繊維を用いた連続糸化技術
第7章 業界におけるCFRPリサイクルの取り組み
第1節 自動車業界におけるCFRPリサイクルの取り組み
第2節 帝人㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み
第3節 三菱ケミカル㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み
第4節 三菱重工業㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み
第5節 カーボンファイバーリサイクル工業㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み