きゃべつさんの書評 2022/03/16 2いいね!
不覚でした。松田青子さん、児童書も書いていらしたんですね。
大人であれ子どもであれ、うっすらと侮辱されたように感じるけれど、どう反応していいかわからないことってありますね。どちらかというとひかえめで気立てのいい人って、単に自分の暇つぶしの種を探していたり自己顕示の受け手を探している人の餌食にされることが多いようです。
この作品では、小学校という、まだ人間同士の距離の取り方を習得していない人が大半の集団の中で、理不尽に傷つけられながらそれを見ないフリをしてやりすごそうとする少年が、ある種の外部からの励ましを得て、自分を大事にし、自分が不当に扱われているときにはそのことに向き合う生き方を学びます。それが他の子どもたちにも波及し、よりお互いを尊重しあえる関係へと変わっていきます。
主人公に力を与えてくれるストーリーにマジカルな絵がさらに魅力とパワーを与えています。
この春、甥の娘ちゃんが小学校へ入るので何かプレゼントを、と思っていたのですが、ここ淡窓図書館児童書コーナーでよいものを見つけることができ、感謝しています。
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