目次
はしがき
第一章 仏教は空間をどう考えていたのか……林寺正俊
はじめに
一 空
二 虚 空
三 世界(世間)
四 須弥山を中心とする世界観
五 日本における須弥山世界観の受容と展開
おわりに
第二章 たちあがる「空間」--現代アートの一断面……浅沼敬子
はじめに
一 「インスタレーション」とは何か
二 「枠」の概念
三 二〇世紀の芸術動向――インスタレーション前史
四 ミニマリズムの例--ロバート・モリスを中心に
おわりに
第三章 古文書から見る過去の都市空間……佐藤健太郎
--モロッコの古都フェスとその郊外
はじめに
一 古文書と古都フェス
二 中心街の家屋
三 町外れの工房
四 郊外の農地
五 証書作成の場
第四章 「文化を展示する」とは何か……佐々木 亨
一 展示空間は勝手気ままな解釈と誤読の世界
二 「展示をする人」と「展示される人」の関係史
三 日本の民族文化についての従来の展示
四 日本の民族文化展示における対話と協働のはじまり
五 展示は新たな意味を創出する装置
第五章 「無限の空間の永遠の沈黙」をまえにして……竹内修一
--パスカルからカミュへ
はじめに
一 『パンセ』という書物
二 「この無限の空間の永遠の沈黙が私を恐怖させる」
三 パスカルに反抗するカミュ
おわりに
第六章 ことばと空間--日本語から考える……加藤重広
一 ことばなればこそ
二 コソアドは簡単か
三 距離が逆転するとき
四 縄張りと指示詞
五 ことばでことばを指す
六 思い出そうとするだけで「あれ」が使える
七 空間表現はどこまで普遍性があるのか
八 身体と空間の関係性
九 ことばなれども
第七章 空間と情報の地理学……橋本雄一
一 空間を理解する道具としての地図
二 デジタル化された地図の歴史
三 日本における地理空間情報の整備
四 地理空間情報で見る東日本大震災の被災状況
五 地理空間情報で考える積雪寒冷都市の津波避難
おわりに
第八章 空間の認知と色彩……川端康弘
一 空間を知るための認知システム
二 「なに」と「どこ」--人間の視覚処理における二つの目標
三 特徴の変化から境界を見つける
四 境界から面を構成する
五 空間の意味を認知する--学習や経験による知識の利用
第九章 大きさと奥行きの知覚--錯視が示す視覚の仕組み……田山忠行
一 知覚の成立――生得説と経験説
二 知覚の恒常性
三 空間の錯視
四 奥行きの手がかり
おわりに
あとがき
執筆者紹介