前書きなど
はじめに
子どもの頃から、私は人の目が気になって仕方がありませんでした。
「こんなことを言ったら、何と思われるのだろう?」
「批判されたら、どうしよう?」
「失敗するのは怖いし、かっこ悪い」
「自分だけ目立つのは、なんか恥ずかしい」
それなのに、どこかで、
「“スゴイ人”だと一目置かれたい」
「もっと人から認められたい」
「誰からも〝良い人〟だと思われたい」
「まわりから『いいなぁ』と、うらやましがられたい」
などの気持ちもあるのです。
これらの気持ちがせめぎ合いながら、折々に自分を苦しめてきました。不安や恐れをもたらし、「やりたい」と思ったことがあっても、
「本当にやっていいのか?」
「ダメだと言われるかも?」
「これでいいのか? やっぱり、私には無理じゃないのか?」
といちいち行動をとめるのです。心の中に、ずっと重苦しい何かが居座っていました。
こんな私が、今では、
「自分がやりたいことをやったらいいんだよ」
「いつだって、自分が選んだ道が一番正しい」
「何が起きても、私は絶対に困らない」
「私が私である時が一番パワフル」
などと本気で思えるようになり、子どもの頃にあきらめたはずの夢を、次々と叶えています。そして、人に伝える仕事までしているのです。
悲観的で自分に自信がないと思っていた私が、今のようになったのには、いくつかの出会いがありました。まず、コーチングとの出会い。次にコーチングを通して、人が夢を叶えていく瞬間に幾度も立ち会えたこと。そして、コーチングがベースにあるオランダの教育現場に触れたことです。
これらの出会いを通して、子どもの頃から、心の中に居座り続けた重苦しいものが、清々しいほどに軽くなりました。霧が晴れて、青空が見えてきたような気持ちです。「自分で考え、自分で決めて、自分で行動すること」のパワフルさを知ったことは、私の人生をより豊かにしてくれました。誰かに答えを教わらず、依存し過ぎず、自分の内側に答えを探しにいき、自ら答えを見つけることによって、次第に「自分軸」が鍛えられる心地良さ。「他人軸」から「自分軸」へとシフトした時に、人は内側にある不安や恐れから解放されます。そして、夢の実現が加速していくのです。
もし、今の不安や恐れを手放して、人目を気にせずに前進したいと思うのなら、「教わる」ことに依存しないことをオススメします。また、自分のお子さんや部下、スタッフに、自己肯定感が高く、自発的に夢を叶える人になってもらいたいと願うのなら、「教えない」関わり方をすることを強くオススメします。
それはなぜなのか?
本書の前半では、ネガティヴだった私がコーチングに出会って、自分の夢を叶え、自分と人の可能性を信じられるようになった過程を、自分の体験を通して紹介していきます。後半では、オランダの教育現場に触れたことによって、さらに私の「自分軸」が強化されていった経緯をお伝えしていきます。私がオランダから持ち帰った「オランダ流コーチング」が、きっと多くの人たちの背中を押すものと信じています。
本書を通して、
「なんかラクになった」
「『自信がなくてもいいんだ』と思えた」
「悩んでいたことが、どうでもよくなった」
「ずっとやりたかったことをやってみよう」
「『自分軸』で生きていこう」
と思っていただけたら幸いです。
そして、そう思えたのなら、自分の夢はもちろん、自分が関わる人たちの夢が叶っていく現実を、遠からず目の当たりにするでしょう。