目次
*はじめに
*でめてる周辺あるけるMAP
*春のおかず
新じゃがの揚げ味噌煮
サモサ
インゲンの胡麻和え
たけのこの煮物
稲田さんの破竹の煮物
など
*夏のおかず
金時豆のトマト煮
そばサラダ
ラタトゥユ
野菜カレー
など
*秋のおかず
油揚のきのこはさみ焼き
かぶとりんごのサラダ
さつまいもの天ぷら
さつまいもと小豆のいとこ煮
など
*冬のおかず
共働学舎の青大豆の酢醤油
はんのうれんの蓮根フライ
押し麦のリゾット
など
*一年を通してのおかず
切り干し大根とじゃこのかき揚げ
コンニャクステーキ
胡麻豆腐
車麩のフライ
など
*玄米ごはん・漬物・だし・調味料など
基本のドレッシング
玉ねぎドレッシング
中華ドレッシング
だし
など
*おいしいコラム
☆「食前食後のおいしいお茶」(べにばな野草園)
☆「働く喜びが作る石けん」(ねば塾)
☆「でめてるのお皿」(菊池伸江さん)
☆「中央線文化のはじまりの地」(長本兄弟商会)
☆「稲田さんのきままな野菜畑」(稲田美代子さん)
☆「筑波山麓から届く野菜」(倉田農園)
☆「地産地消を支えて 年」(三多摩たべもの研究会)
☆「酒田から届くおいしい玄米」(佐藤隆一さん・太ももの会)
☆「近所においしいお豆腐がある幸せ」(星野豆腐店)
☆「だんぜんおいしい青大豆」(共働学舎)
☆「宇和海を渡る風に育てられて」(無茶々園)
☆「輸入オーガニック食品の中心」(アリサンオーガニックセンター)
☆「開店以来の味噌の味」(おむすび長屋)
☆「時間をかけて熟成した玄米味噌」(清水商店)
☆「欠かせない食材と調味料」(マナ健康食研究所)
☆「秘かに人気のお菓子」(モモちゃん)
☆「三陸ワカメの復活を祈って」(三陸水産)
☆「味にこだわる自然焙煎珈琲」(ろばや)
☆「欠かせない一皿、ひじきの煮物」(丸い水産)
☆「でめてるではお酒も楽しめます」(せきや)
☆「油のこと・」(水俣はんのうれん)
☆「油のこと・」(生協パルシステム)
☆「玄米ごはんのための圧力鍋」(鋳物屋)
☆「山形から届くこだわり玄米」(斎藤保夫さん)
あとがき
前書きなど
でめてるは、東京の国分寺市にあるレストラン。1982年に開店しました。店長の鈴木朋恵さんは、でめてるの
始まりについてこう言っています。
「そのころ、三多摩地区でつながってきた、熱い女たちのネットワークの延長上に、でめてるが誕生しました。女性が、一人でもゆっくりくつろげて、食べたり飲んだりできる店、というのがモットーで、それは今も変わりません」
玄米ごはんと野菜のおかずが食べられるお店です。イワシ料理や干物のお魚もあります。ビールやお酒もあります。玄米も野菜も主に無農薬で作られるものを使い、昔ながらの製法で作られる調味料を使います。
でも、自然食だとかナチュラルだとか、体に良いとか地球に優しいとか、そういうことを大きな声で言ってはいません。気にしてないってことはないけど、食べることを頭で考え過ぎてもつまらない、という感じだと思います。
でめてるは、ふつうのお店です。ふつうに玄米ごはんがおいしくて、ふつうに野菜のおかずがおいしい。そのお
いしさは、毎日食べたいおいしさです。ハレの日においしい特別な味ではなく、日々、お腹に優しくおさまる淡々としたおいしさです。ミシュランの調査員は絶対に来ないでしょう。でも毎日来てくれるお客さんはいます。
このでめてるが、30 周年を迎えます。
この機会に、おかずの作り方を聞いておこう。そう思いました。作り方といっても、お店ではたくさんの量を作りますし、素材や道具や火力や火加減やさじ加減、腕も違いますから、その通りに作ったとしても、同じ味にはできないと思います。ですから、詳細なレシピにはしませんでした。大ざっぱな、だいたいこんなふうですよ〜、という作り方です。あとはそれぞれお好きなように、自分なりに作ってみてください。
むずかしい料理はありません。作るのが簡単という意味ではなく、素材が生きるシンプルな料理ばかりです。作ることによって、野菜そのもののおいしさや、伝統的な乾物類の使いやすさ、旬のものが持つ力強さなどを少しでも感じ取れたらいいと思います。
私は20 年くらい前に初めてこの店に来ました。あれよあれよと月日が過ぎ、飽くこともなく通い続け、いつしかちょこっと手伝うまでになりました。
食べ物に限らず、パッと盛り上がって、あっさり消えていく、そういうものが多い今日この頃です。だからこそ、派手に盛り上がることもないけど飽きずにずっと続いていく、そういうものの大事さを、私はでめてると重ねて感じています。
ひっそりと、ゆっくりと、この本が作られました。楽しんでいただけたら幸いです。
石渡希和子