目次
序論 オルフェウス像変遷の軌跡——古代から近代までの概観
はじめに
オルフェウス像の変遷概観——古代から近代まで
第一章 オルフェウスとは何者か、その正体をさぐる
——原初の詩人(Urdichter)としてのオルフェウス
一 実体・実像のとらえがたき存在
二 オルフェウスの「正体」は不明。その「原像」
三 オルフェウスとは何者だったのか
四 古典学者たちの提示するオルフェウス像
五 オルフェウスの「正体」ないしは「実像」
六 「冥府降り(katabasis)」について
七 「オルフェウス教」とオルフェウス
第二章 ギリシア文学に見るオルフェウス像
一 おぼろげな存在——アルカイック期・古典期
二 悲劇の中のオルフェウス
三 哲学者とオルフェウス——プラトン、散文作家たち
四 オルフェウス、文学の前面に登場す——ヘレニズム時代
第三章 ローマ文学におけるオルフェウス像
一 喪失者の悲劇——ウェルギリウスの描くオルフェウス
二 愛に生き愛に死んだ男の物語——オウィディウスの描くオルフェウス
三 ウェルギリウスの偽作「蚋」の詩と「冥府降り」
四 ホラティウスの歌ったオルフェウス
五 セネカの悲劇に見るオルフェウス
六 オルフェウスの教訓——ボエティウスと寓意的オルフェウス像の始まり
第四章 中世におけるオルフェウス
一 アポロギア——多様多彩なオルフェウス像
二 キリストとしてのオルフェウス
三 ラテン語詩に歌われたオルフェウス
四 ロマンスの中のオルフェウス
五 オルフェウス奇諏——ラウル・ルフェーヴルが物語る奇妙なオルフェウス
六 ギヨーム・ド・マショーの歌ったオルフェウス——『友のための慰め』に見るオルフェウス像
第五章 ルネッサンス詩文学におけるオルフェウス像
一 ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョとオルフェウス
二 ネオラテン詩人たちの歌うオルフェウス
三 ポリッィアーノ『オルフェオの物語』を覗く
四 ロンサールの詩に見るオルフェウス
五 スペンサーとミルトンにおけるオルフェウス
第六章 ヨーロッパ近代詩に見るオルフェウス像
一 近代的オルフェウス像の構築——リルケ『オルフォイスへのソネット』管見
二 「オルフェウス的詩人」ノヴァーリスについての寸言
三 バンヴィルとルコント・ド・リールの歌ったオルフェウス
四 ネルヴァルにおけるオルフェウスについて——『幻想詩篇』の詩二篇を一瞥する
五 ヴァレリーの詩「オルフェ」一瞥。付・マラルメについて一言
六 アポリネールとオルフェウス——『動物詩集』を垣間見る
七 北方のオルフェウス——プリューソフの詩に見るオルフェウス
最後に贅言
テクストおよび主要参考文献
あとがき
索引(人名/事項)