目次
はじめに
Ⅰ 学校給食の現場へ案内しよう
1 給食づくりの1日
(1)調理場の忙しさ
(2)調理員の人数に基準がある
(3)調理場の様子を描写しよう
(4)短時間で作りあげる給食づくりの工夫
(5)給食の安全チェックの最初は校長先生が行う
2 学校給食の安全性はいかに確保しているのか
(1)学校給食は家庭の台所の延長ではない
(2)給食づくりの職員は「牡蠣」を我慢で食さない
(3)学校給食の衛生管理が一段と厳しくなった契機は?
(4)大規模集団感染によって学校給食の衛生管理にもHACCPが導入される
(5)学校給食は「学校給食衛生管理基準」に準じてつくられている
(6)衛生管理の実例(1)~学校給食の施設と設備に関して~
(7)衛生管理の実例(2)~調理過程とその関連に関して~
(8)衛生管理の実例(3)~衛生管理体制に関して~
3 学校給食は「おいしい」と言われることを第一目標にしているわけではない
(1)給食はおいしければよいのか
(2)外食と異なる給食~栄養士の悩み~
(3)給食の「残さ」(給食の残り)の量を問う前に好き嫌いの矯正を考えよう
(4)人生を創るほど影響力が大きい農業体験
Ⅱ 食生活の乱れから子どもたちを救おう
1 食育基本法が必要になった理由を知ろう
(1)「食」で生き方が変わります
(2)子どもにとってとりわけ「食」が大切な理由
(3)食育基本法ができるとどうなったか
(4)学校給食法も改正され食育が加わった
2 食生活の乱れ(その1)~ジャンクフードと外食依存~
(1)「食生活の乱れ」を知っておこう
(2)子どもの食習慣の中にあってはいけないこと
(3)気がつかない外食依存の生活
3 食生活の乱れ(その2)~朝食の大切さと朝食を食べさせるために~
(1)子どもの朝はなぜ大切か
(2)朝の習慣が学業成績の重要な決定因
(3)都市部の保護者が知っておかなければならないこと
(4)朝食と体力と運動能力
(5)家族の繁栄は朝で決まる
4 食生活の乱れ(その3)~飽食の中のアンバランス~
(1)隣の家庭の食生活はデータでわかる
(2)豊かさは日本人を和食からも遠ざける
(3)和食は家庭にあるのかないのか?
Ⅲ 食育を理解しよう
1 食育とは何であるのか?
(1)「食育」という表現は明治時代から
(2)子どもの成長と食育
(3)食育の範囲は生活から人生の広さまで
(4)学校給食での食育は家庭の食育を補う内容になっている
2 実際に行われる一般的な食育の例
(1)予定献立表と給食に関連する情報発信
(2)給食放送用原稿の作成
(3)栄養士や調理員の学校訪問と栄養やマナー指導などを
(4)給食のメニューや様々な目的を加えた給食方式で食育
(5)授業やクラブ活動における食育支援
(6)保護者や市民も含めた食育
(7)味覚教育の大切さが分かってきた
3 食育に携わる人々
(1)校長先生の食育に対する温度差は大きい
(2)食育の中心は栄養士が多い
(3)調理員の役割は大きい~もっと評価されるべきである~
(4)学校ごとに食育リーダーがいる
(5)教育長と教育委員会との役割および首長(市長、町長など)の影響力
(6)ところが地方教育行政法が改正され2015年4月から「総合教育会議」が新設
Ⅳ 学校給食の社会的役割の大きさに気がついていない
1「社会的共通資本」としての学校給食
2 もし給食がなければ教室はどうなるだろうか?
3 家庭では伝えられない日本の食文化~学校給食が最後の砦か?~
(1)ユネスコ無形文化遺産登録の「和食」は家庭にない
(2)「和食」が登録された理由と他国の無形文化遺産
(3)年中行事で先人は何を伝えようとしたのか?
(4)学校給食が日本の食文化と行事食を守る
4 地産地消の推進と食料自給率の向上に寄与している学校給食
(1)なぜ「地場産もの」は安全なのか?
(2)「地場産もの」のおいしさの理由とは
(3)地産地消から国家の食料自給率の向上に寄与
(4)都市部の中の農地の役割は大きい
5 学校給食の産業連関効果は大きい
(1)学校給食の食材に対する需要の大きさ
(2)食材需要以外の産業連関効果も大きい
6 弁当づくりの時間とコストはどれぐらい?
(1)手づくり弁当の「機会費用」の大きさ
(2)手づくり弁当にいくらかかるだろうか?
Ⅴ 食物アレルギー対策について考える
1 増える食物アレルギーと対応のための体制の弱体化
2 食物アレルギーの実態はこのようになっている
3 学校給食において食物アレルギーの子どもたちに対応することは正しい
4 食物アレルギー対応を難しくする学校給食の運営方式の変化
5 食物アレルギー対応の前に心がけなければならないこと~食物アレルギー教育も急ぐべきである~
6 食物アレルギー対応においてここが要である
Ⅵ 学校給食の実施方法についての判断の仕方
1 学校給食には幾つかの方法がある~単独(自校)方式か共同調理場(センター)方式か~
(1)学校給食の意味と内容
(2)調理場の場所で区分する「単独(自校)方式」と「共同調理場(センター)方式」の違い
(3)「単独(自校)方式」と共同調理場(センター)方式の善し悪しを比較するときは注意を!
2 学校給食の民間委託の実態と問題点
(1)民間委託の進行状況
(2)「単独(自校)方式」で早く進む民間委託
(3)民間委託で何が変わるのか?
(4)民間委託を進めようとした文部科学省
(5)民間委託のすすめと教育ビジョンは一致するのか?
(6)1985年の「合理化通知」でどのようなことになろうとしているのか?
Ⅶ 民間委託ではないこんな学校給食運営方法もある
~東京都武蔵野市の「給食・食育振興財団」~
1「給食・食育振興財団」の誕生
(1)財団によって何を目指すのか?
(2)財団の内部組織はこのようになっている
2 東京都武蔵野市の学校数、児童・生徒数
3「給食・食育振興財団」の設立までの経緯はこうである
(1)中学校給食を実施すべきかどうか~長い激論の末に中学校給食の開始を答申する~
(2)中学校の給食実施スケジュールが決まる
(3)ついに「財団設立」に辿り着く
(4)「給食・食育振興財団」の全貌ができ上がる
(コラム)
教育長としてこのように考える 山上美弘(財団設立時の教育長)
4 若い調理員の採用で活気づく
(1)「給食・食育振興財団」に対する応募者は多かった
(2)学校給食に必要な「専門性」
(3)調理員の採用試験の現場では
(4)そして2010年4月1日の「辞令交付式」~理事長としての挨拶~
(5)採用されてからの3日間の研修日程
(6)若い調理員によって職場に活気が戻る
(7)新人調理員は自主勉強会を始めた
(コラム)
調理員を指導してみて 伊藤栄治(財団業務統括・研修担当)
5 自主勉強会まで行う新人職員による「市民向け食育」の光景を見せよう
(1)「給食・食育フォーラムのスタート」
(2)「新作メニュー発表会」での頑張り
(3)「給食・食育フェスタ」の考案と開催
6「給食・食育振興財団」の給食づくりのその他の特色
(1)手づくりの追求
(2)食材の選択にこだわり、地場産ものにこだわる
(3)独自の「放射性物質検査機」をもつ安全性へのこだわり
(4)財団にしてまで食育にこだわる
(コラム)
栄養士・調理員へのメッセージ 長野美根(財団理事)
おわりに
付表 学校給食の歴史と社会