目次
序章 谷崎潤一郎の中国旅行とエキゾティシズム
第一章 風景のなかの女
──「西湖の月をめぐって」──
一 「青磁色の女」と西湖の景観構造
二 〈青磁色の女〉
三 ミッション・スクールの女学生
第二章 谷崎潤一郎が中国へ投射したもの
──「天鵞絨の夢を視座にして」──
一 ハードン夫婦
二 佐藤春夫「指紋」とボードレール『人工楽園』
三 ゴーチエ「クラリモンド」
第三章 「風流」な文学者
──「蘇東坡(三幕)─或は「湖上の詩人」」論──
一 『西湖佳話』「六橋才迹」との比較
二 検閲の視点から読む「蘇東坡」
三 佐藤春夫の 「風流」観と「鮫人」を手掛りとして
四 「風流」を乗り越える試み
第四章 西洋芸術と東洋芸術との統合の試み
──「鮫人」における〈浅草オペラ〉──
一 「鮫人」と「真夏の夜の恋」
二 林真珠の造形 ──原信子との関わりを中心に
三 北斗劇団をめぐって
第五章 十年一覚揚州夢
──「 鶴唳」論──
一 佐藤春夫と小田原
二 「梅崖荘」「鎖瀾閣」と西湖
三 鶴と揚州
第六章 谷崎潤一郎と田漢について
── 戯曲を中心に──
一 「虎を獲る夜」と「昼飯の前」について
二 「湖上的悲劇」をめぐって
第七章 女と蛇
──谷崎潤一郎「蛇性の婬」田漢「白蛇伝」をめぐって──
一 谷崎潤一郎「蛇性の婬」
二 女と蛇
三 田漢「白蛇伝」
第八章 エキゾティシズムからノスタルジアへ
── 二度目の中国旅行をめぐって──
あとがき
初出一覧