目次
はじめに
序 章 番記者前史ー「空白と不安の十年」を超えて
プロキノの門を叩いた父東宝/争議の先頭に立つ/学校に通えない/やっと見つかった居場所/デモを呼びかける/「全国学生招待会議」の運営
第一章「学生番記者」になる
一 大森実の『東京オブザーバー』
瞠目すべきベトナム戦争報道/ライシャワー大使の後悔/「主幹がお会いする」/大森実国際問題研究所のオフィス/『東京オブザーバー』の紙面構成3/怪物、大宅壮一/グレーの作業着で配送も
二 「エンタープライズ」寄港阻止取材
佐世保取材班に加わる/九州大学、全学連に門を開く/貸しフトンは何人分?/徹底マークする学生/インタビューの極意/早朝の出撃/打ち込まれる催涙ガス弾5/「殺されるかもしれない」/市民の風向きが変わった/全十段の署名原稿/信じがたい紙面づくり/「学生番記者」になる
第二章 〈1968〉の現場
一 学生が勝った中大学費闘争
社内にいた現役中大生/慶應、早稲田、明治でも/朝刊早刷りの衝撃/体育会学生も四年生も参加/セクトの狙いを見抜く/大講堂を揺るがす歓声/支援者への手紙
二 ベトナムから王子へ
動きだした「野戦病院反対運動」/路地裏を駆け抜けろ/荒れる群集/市民とヤジウマ9/金嬉老と記者の距離
三 成田闘争の泥沼とその後
新空港決定の経緯/学生武装化の不安/機動隊の無差別攻撃/私服警官の暴行/「成田二十四時」の放送中止/変質する学生運動/「成田」に残った人々
第三章 日大闘争の明と暗
一 インターナショナルではなく校歌を
二億円の使途不明金/日大史上初のデモ/セクトは要らない/全学ストライキ突入/自主講座を開く/バリケードの内外
二 米国の過激派への取材
洋上大学の「船学連」/アメリカ行きの目的/土嚢で守るブラック・パンサー党本部/党首カーマイケルへの取材
三 日大全共闘、目前の暗転
空気が変わった/三万五千人との団交/佐藤首相の怒り/やせ細る日大全共闘/秋田明大、潜伏の弁
第四章 東大闘争の現場か
一 ソクラテスの逃走
始まりは小さな火/「すいません」といえない/機動隊出動要請が火をつけた/総長の進歩的なポーズ/「名乗ったあなたが全共闘」
二 しのぎあう勢力
「ブル新、帰れ!」/全学無期限ストライキ/民青vs.全共闘の激化する武闘/拒否された加藤提案
三 安田講堂での年越し
講堂内に響く紅白歌合戦/回避されたゲバルト/受験生の怒り/むごたらしい衝突/封鎖をめぐる攻防
四 落城
権力者の動き/テレビは何を報道したか/防衛隊長今井澄の死/橋爪大三郎と後藤田正晴の見方/「六八年世代を比べてみれば/全共闘運動の意義を見直す
第五章 連合赤軍と自衛官刺殺事件
一 『産経』浦和支局へ
突然の転身/『東京オブザーバー』の休刊とその後/そのころの浦和支局/新支局長、登場/捜査二課長、亀井静香/最初のスクープ/地検庁舎の床下に潜入せよ/十七年ぶりのパーティ
二 連合赤軍事件への道
初の内ゲバ殺人/首相官邸襲撃計画/「よど号」ハイジャック事件/赤軍派の武闘路線/京浜安保共闘の襲撃事件/京浜安保共闘と赤軍派の出会い/連合赤軍事件の顛末/信じられない論理
三 朝霞自衛官刺殺事件
『プレイボーイ』の独占スクープ/主任捜査官の断言/記者はゴールデン街のバーにいる/支局長、デパート配達員に変装する/赤衛軍の全貌/中原と『朝日ジャーナル』編集部員の逮捕/私も逮捕寸前だった?!/記者クラブ、宝くじに当たる
第六章 世界規模のテロ
一 『夕刊フジ』報道部へ
一九七二年という年/人間くさい新聞をつくろう/「名文」は要らない/漁船で聞いたミュンヘン事件/初の日本人ハイジャック犯/日本赤軍のシンガポール襲撃/割り出された日本人ゲリラ
二 ヨーロッパの日本赤軍
幻のスクープ/仏大使館襲撃2/ヨーロッパの蜂起計画/暗号コード7928477/家に帰れない
三 「人名地球より重い」、その後
三菱重工本社ビル爆破事件/クアラルンプール事件/世界が批判した超法規的措置/田中角栄邸宅/世界でのテロ活動
終 章 メディアはどう変わったか
新聞社を辞める/危機管理会社の創設/メディアの変質/原発事故の報道の仕方/遥かな「叛乱の時代」/「赤旗」と「緑旗」
「叛乱の時代」年表
あとがき