目次
『イギリス労働関係法制の履行確保―歴史的変遷と行政機関の役割』(学術選書)
西畑佳奈(岩手大学人文社会科学部講師)著
【目 次】
◇序
第1節 問題の所在
第2節 本書の目的
第3節 先行研究と本書の位置づけ
第4節 本書の構成
◆第1部 最低賃金法の履行確保◆
・はじめに
◇第1章 最低賃金法の歴史的変遷
第1節 全国最低賃金法の制定以前の最低賃金立法
1 1909年産業委員会法
(1) 制定過程
(2) 内 容
2 1918年産業委員会法
(1) 制定過程
(2) 内 容
(3) その後の展開
3 1945年賃金審議会法
(1) 制定過程
(2) 内 容
(3) その後の展開
第2節 現行の最低賃金法
1 全国最低賃金法の制定過程
2 全国最低賃金法の内容
(1) 目 的
(2) 適用対象
(3) 最低賃金の決定方法
(4) 低賃金委員会の機能
3 全国最低賃金の新たな展開
第3節 小 括
◇第2章 最低賃金法の履行確保機構の歴史的変遷
第1節 商務省の係官による産業委員会法の履行確保
1 産業委員会法の履行確保機構の設置過程
2 権 限
3 商務省の係官による履行確保活動
第2節 賃金監督官による賃金審議会法の履行確保
1 賃金監督官の設置過程
2 権 限
3 賃金監督官による履行確保活動
第3節 歳入税関庁(最低賃金履行確保チーム)による全国最低賃金法の履行確保
1 歳入税関庁(最低賃金履行確保チーム)の設置過程
2 権 限
(1) 賃金記録に関する権限
(2) 未払通告の交付
(3) 代位訴訟権限
(4) 刑事処罰を求める権限
(5) 労働市場エンフォースメント誓約書・命令
(6) 使用者名公表制度
(7) 自主的是正制度
3 歳入税関庁(最低賃金履行確保チーム)による履行確保活動
4 最低賃金法および労働関連法制の履行確保機構における新たな展開
◇第3章 検 討
第1節 最低賃金法の履行確保機構に係る特徴
1 権限行使の目的
2 民事救済権限
3 権限の多様性
第2節 歳入税関庁(最低賃金履行確保チーム)の果たす役割
第3節 民事救済の対象範囲の限定性
◆第2部 民営職業斡旋事業法制の履行確保◆
・はじめに
◇第1章 民営職業斡旋事業者基準監督機関による民営職業斡旋事業法制の履行確保
第1節 民営職業斡旋事業法制の歴史的変遷
1 1973年民営職業斡旋事業法
(1) 制定過程および目的
(2) 内 容
2 2003年民営職業斡旋事業行為規則
(1) 制定過程および目的
(2) 内 容
3 2010年派遣労働者規則
(1) 制定過程および目的
(2) 内 容
第2節 民営職業斡旋事業法制の履行確保機構の歴史的変遷
1 民営職業斡旋事業者基準室による労働者保護
(1) 民営職業斡旋事業者基準室の設置過程
(2) 権 限
(3) 民営職業斡旋事業者基準室による履行確保活動
2 民営職業斡旋事業者基準監督機関による労働者保護
(1) 民営職業斡旋事業者基準監督機関の設置過程
(2) 権 限
(3) 民営職業斡旋事業者基準監督機関による履行確保活動
第3節 小 括
◇第2章 ギャングマスター及び労働者酷使取締局による民営職業斡旋事業法制の履行確保
第1節 ギャングマスター及び労働者酷使取締局の管轄法令の歴史的変遷
1 2004年ギャングマスター(許可制度)法
(1) 制定過程および目的
(2) 内 容
2 2015年現代奴隷法
(1) 制定過程および目的
(2) 内 容
3 2016年移民法
(1) 制定過程および目的
(2) 内 容
第2節 2004年ギャングマスター(許可制度)法の履行確保機構の歴史的変遷
1 ギャングマスター許可局による労働者保護
(1) 設置過程
(2) 権 限
(3) ギャングマスター許可局による履行確保活動
2 ギャングマスター及び労働者酷使取締局による労働者保護
(1) ギャングマスター許可局からギャングマスター及び労働者酷使取締局への移行
(2) 権限の拡大
(3) ギャングマスター及び労働者酷使取締局による履行確保活動
◇第3章 検 討
第1節 民営職業斡旋事業法制の履行確保機構に係る特徴
1 民営職業斡旋事業者基準監督機関とギャングマスター及び労働者酷使取締局による履行確保
2 民営職業斡旋事業者基準監督機関とギャングマスター及び労働者酷使取締局の権限
3 ギャングマスター及び労働者酷使取締局の人的・経済的資源
第2節 民営職業斡旋事業法制の履行確保機構の果たす役割
1 民営職業斡旋事業法制の履行確保機構による履行確保の対象者
2 管轄法令
3 ギャングマスター(許可制度)法の適用範囲
4 民営職業斡旋事業者基準監督機関およびギャングマスター及び労働者酷使取締局の履行確保手法
◆第3部 差別禁止法の履行確保◆
・はじめに
◇第1章 差別禁止法の歴史的変遷
第1節 2010年平等法以前の差別禁止法
1 1975年性差別禁止法
(1) 制定過程
(2) 内 容
2 1976年人種関係法
(1) 制定過程
(2) 内 容
3 1995年障害差別禁止法
(1) 制定過程
(2) 内 容
第2節 現行の差別禁止法
1 2006年平等法
(1) 制定過程
(2) 内 容
2 2010年平等法
(1) 制定過程
(2) 内 容
第3節 小 括
◇第2章 差別禁止法の履行確保機構の歴史的変遷
第1節 2010年平等法以前の差別禁止法の履行確保
1 各委員会の設置過程と構成
2 各委員会の権限
(1) 公式調査
(2) 差別停止通告
(3) 差止命令の申請
(4) 労使審判所の審判権
(5) 個別申立てに係る援助
(6) 協 定
3 各委員会による権限行使の状況
第2節 現行の差別禁止法の履行確保
1 設置過程および構成
2 権 限
(1) 審 問
(2) 調 査
(3) 違法行為通告
(4) 協 定
(5) 司法審査その他の法的手続
3 平等・人権委員会による権限行使の状況
◇第3章 検 討
第1節 イギリスにおける差別禁止法の履行確保機構に係る特徴
1 差別禁止法の履行確保機構の統合
2 各差別行為に係る問題に即した救済・是正手段
3 履行確保機構による提訴権
第2節 差別禁止法に係る現行履行確保手法の課題
◆第4部 イギリス労働関連法制の履行確保機構の統合◆
・はじめに
◇第1章 DLMEの新設
第1節 DLMEの設置過程
1 移民問題助言委員会の報告
2 意見聴取の実施
(1) 管轄事項
(2) 職 権
第2節 DLMEの職務
1 LME戦略および年報の作成・提出
(1) LME戦略
(2) 年 報
2 履行確保機構間の情報提供の橋渡し(情報ハブ)
第3節 DLMEの及ぼす影響
1 スポーツ祭典における共同履行確保活動
2 レスター繊維産業における共同履行確保活動
◇第2章 SEBの構想
第1節 SEBの構想過程
1 テイラー報告書
(1) 民営職業斡旋事業者基準監督機関による履行確保の対象事業者の拡大
(2) 民営職業斡旋事業者基準監督機関の管轄法令の拡大
(3) 休日賃金の履行確保機構の設置
2 Good Work Plan(2018年政策文書)
(1) 民営職業斡旋事業者基準監督機関による履行確保の対象事業者の拡大
(2) 民営職業斡旋事業者基準監督機関の管轄法令の拡大
(3) 休日賃金の履行確保機構の設置
第2節 SEBの管轄法令・権限・履行確保手法
1 SEBの新設に関する意見聴取
(1) 既存の履行確保機構の問題点およびSEBの有効性
(2) SEBの管轄法令
(3) SEBの権限・制裁
(4) SEBの履行確保手法
2 意見聴取における見解に対する政府回答
(1) 既存の履行確保機構の問題点およびSEBの有効性
(2) SEBの管轄法令
(3) SEBの権限・制裁
(4) SEBの履行確保手法
3 SEBの新設に関する意見聴取後のDLME,TUC,労働党の反応
◇第3章 検 討
第1節 労働関連法制の履行確保機構の特徴
1 労働関連法制の履行確保機構間の共同履行確保活動
2 履行確保機構による労働関連法制の履行確保のあり方の再編
第2節 労働関連法制の履行確保機構の統合における課題
1 SEBによる民営職業斡旋事業法制の履行確保機構への影響
2 SEBに統合されない平等・人権委員会への影響
◇結
第1節 本書の総括
(1) 行政機関よる民事救済権限の特徴
(2) 行政機関による民事救済権限の課題
(3) 結 論
第2節 残された課題
・索 引