目次
『核共有の現実 ― NATOの経験と日本』
岩間陽子(政策研究大学院大学教授) 編
【目 次】
・はしがき
◆序章 NATO の核共有・核協議制度〔岩間陽子〕
Ⅰ 「核同盟」(nuclear alliance)としてのNATO
Ⅱ 核共有体制の歴史的展開
Ⅲ 本書の構成
◆第1章 アメリカと核共有・核協議制度の起源〔新垣 拓〕
はじめに
Ⅰ 核共有制度の起源
Ⅱ 核協議制度の起源
Ⅲ 現在のNATO核共有制度
おわりに
◆第2章 核協議の制度化――NPG組織の変遷と役割〔倉科一希〕
はじめに――NATOにおけるNPG
Ⅰ NATOと核協議――初期段階
Ⅱ 「選抜委員会」からNPGへ
Ⅲ NPGにおける核協議の展開
Ⅳ 核協議制度の変容
Ⅴ 冷戦後のNPG
おわりに
◆第3章 ドイツと核兵器〔岩間陽子〕
はじめに
Ⅰ 大量報復戦略と西ドイツ
Ⅱ 西ドイツとNATO核態勢
Ⅲ 逆ベクトルの中のNATO核共有
Ⅳ 冷戦後に残る核共有と統一ドイツ
おわりに
◆第4章 イギリスと核兵器〔小林弘幸〕
はじめに
Ⅰ 戦時協力から核保有へ
Ⅱ 英米二国間核協力の時代
Ⅲ 「多角的核戦力」構想とイギリス
おわりに
◆第5章 フランスと核兵器〔小窪千早〕
はじめに
Ⅰ フランスの核開発の始まり
Ⅱ ドゴール政権期におけるフランスの核抑止力
Ⅲ ポスト・ドゴール期のフランスの核戦略
Ⅳ 冷戦後の変化と現在の抑止体制
おわりに
◆第6章 冷戦期ヨーロッパにおける「コミットメントの象徴」としてのアメリカの核兵器〔合六 強〕
はじめに
Ⅰ 欧州への核兵器の大量配備
Ⅱ ケネディ・ジョンソン政権下での戦域核の撤去と戦術核の増加
Ⅲ 「7000発」の戦術核の行方
おわりに
◆第7章 ユーラトムとヨーロッパの「核」〔川嶋周一〕
はじめに
Ⅰ ユーラトムの成立とその役割の獲得
Ⅱ 危機の中の再生――NPT体制成立とユーラトム
Ⅲ ウラン濃縮事業の非ユーラトム化
おわりに
◆第8章 欧州とアジアにおける「核の閾値」――非戦略核をめぐる思考実験〔後瀉桂太郎〕
はじめに
Ⅰ 非戦略核に関わる議論の整理――不安定化するエスカレーション・ラダー
Ⅱ ポスト冷戦期の欧州――パワーバランスの逆転とロシアのディエスカレーション戦略
Ⅲ 2010年頃以降のアジア――日米の視点と中国の視点
Ⅳ 比較分析と論点の提示
おわりに
◆終章 核共有と日本の安全保障〔岩間陽子〕
Ⅰ 「核の一九六八年体制」の中の核共有と核協議制度
Ⅱ 日本における「核共有」をめぐる混乱
Ⅲ NATOの核共有の本質
Ⅳ 核協議の効用と限界
Ⅴ 抑止と不拡散という二つの要請