目次
『医事法研究 第7号』
甲斐克則(早稲田大学大学院法務研究科教授)責任編集
【目 次】
◆第1部◆論 説
◆1 再論・医療関係者の医療行為実施後の説明義務について(2)/手嶋 豊
Ⅰ はじめに―問題の所在
Ⅱ 医療行為実施後の説明に関するこれまでの議論状況
Ⅲ 近時の下級審判決における事後の説明が問題となった事案
Ⅳ 事後の説明を妨げる事情―賠償責任保険との関係
(以上前号)
Ⅴ アメリカの法状況―比較法⑴
1 はじめに
2 20世紀末までの状況
3 IOMレポートの公表とその後の状況
4 情報開示に関する倫理的側面と個別医療機関における実践
5 報告義務・謝罪法などの立法対応と議論状況
6 アメリカの法状況・まとめ
(以上本号)
Ⅵ アメリカ以外の諸外国の法状況―比較法⑵(以下,次号)
Ⅶ 検 討
◆第2部◆国内外の動向
◆1 講演:薬機法一部改正(2022年)に伴う医薬品等の緊急承認制度創設の意義と課題 /甲斐克則
Ⅰ 序―問題の所在
Ⅱ 薬機法改正前の状況
Ⅲ 諸外国の状況
Ⅳ 改正薬機法第14条の2の2(緊急承認)の意義と課題
Ⅴ 結 語
◆2 第52回医事法学会研究大会/福山好典
Ⅰ はじめに
Ⅱ ワークショップ
Ⅲ 個別報告
Ⅳ ポスター発表
Ⅴ シンポジウム
◆3 アメリカ合衆国連邦最高裁の人工妊娠中絶に関する判決―Dobbs v. Jackson Women’s Health Organization 142 S. Ct. 2228 (2022)/新谷一朗
Ⅰ はじめに
Ⅱ 事案の概要
Ⅲ 判決の要旨
Ⅳ 解 説
Ⅴ おわりに
◆4 いわゆる「内密出産ガイドライン」について/和泉澤千恵
Ⅰ はじめに
Ⅱ ガイドライン発出の背景
Ⅲ ガイドラインの概要
Ⅳ ガイドラインの対応と異常が生じた場合における若干の疑義
Ⅴ 結びにかえて
【医事法ポイント判例研究】
〈1〉アルコール依存にり患している対象者について,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による入院決定をした原々決定を取り消した原決定に同法42条1項,64条2項の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
最判令和3年8月30日決定(刑集75巻8号1049頁)/西山健治郎
〈2〉乳幼児期に集団予防接種等によりB型肝炎に罹患し,成人後に陽性肝炎を発症,鎮静化後に,陰性肝炎を発症したことによる損害賠償請求権に関する改正前民法724条後段所定の期間制限の起算点
最二小判令和3年4月26日民集75巻4号1157頁/村山淳子
〈3〉医薬品の副作用と医師の療養指導説明義務,薬剤師の服薬指導義務
(秋田地判平成30年2月16日LEX/DB25560041)/峯川浩子
〈4〉乳幼児揺さぶられ症候群に関する無罪判例
①東京高判令和3年5月28日判時2528号102頁
②名古屋高判令和3年9月28日判時2528号116頁/福山好典
〈5〉旧優生保護法訴訟大阪高裁判決
令和4年2月22日賃金と社会保障1798号46頁/永水裕子
〈6〉摂食障害治療に伴って行われた14歳の少女に対する77日間の身体的拘束の違法性が争われた事例
東京高判令和4年10月31日判例集未登載/甲斐克則
【書 評】
1 甲斐克則編『医行為と医事法(医事法講座第12巻)』(信山社,2022年)/武藤眞朗
2 只木誠=グンナー・デュトゲ編『終末期医療,安楽死・尊厳死に関する総合的研究』(中央大学出版部,2021年)/仲道祐樹
3 甲斐克則『人体情報と刑法(医事刑法研究第8巻)』(成文堂,2022年)/日山恵美・澁谷洋平