紹介
創立65周年記念、アドリエンヌ・リッチ三部作待望の復刊!
教育、仕事、倫理――沈黙を強いられてきた女たちが自分の言葉を語るために。現代アメリカを代表する詩人/フェミニスト批評家の60-70年代論集
女とは何か。女として生きるとはどういうことか。一人の女として、母として、詩人としての自らの経験を深く堀りさげ、母性神話について、異性愛について、女の教育と仕事についてラディカルに問う。そして、男によってつくられてきた歴史や文化のなかで、女の生きかたを解放する視点を明らかにする。つねにフェミニズムの原点にたちもどりつつ、その最前線を歩んできた詩人の論考を紹介。
教えることに私が興味をひかれるのは、たまさかの天才の出現のためであるよりも、言語をもたなかった人びと、言語をもてないほどに利用され虐待されてきた人びとによる、全面的な言語の発見のためなのである。(本文より)
目次
はじめに
1 アン・ブラッドストリートの精神的緊張
2 わたしたち死者が目ざめるとき
3 自由入学制大学の言語教育
4 反フェミニスト女性
5 生きのびる意志―エリナ・ロス・テイラーの詩
6 ジェイン・エア―母のない女が出会う誘惑
7 女像柱―二つのコラム
8 アン・セクストンの死を悼む
9 女性中心の大学をめざして
10 エミリ・ディキンスンの力―家庭のなかのヴェスヴィウス火山
11 女と名誉―噓についての覚え書
12 束縛された母性
13 私たちの内なるレズビアン
14 仕事の条件―女性の共通世界
15 夫の権利と父の権利
16 私たちが女を愛することの意味
17 教育をもとめる権利
18 女の学と真剣に向き合う
19 権力と危険
20 母性―現在の緊急事態と未来への大活躍
21 文明への不忠誠― フェミニズム、人種主義、ガインフォビア
訳者あとがき
解説 満谷マーガレット
原注