紹介
◆詩の新しい可能性◆
詩は私たちの心を奮い立たせ、傷ついた心を癒す力をもっています。「千の風になって」に悲しみを癒し、「上を向いて歩こう」で心を奮い立たせた人たちも多いでしょう。また若い頃、詩を読み、書いていた経験をもっている人もいるでしょう。しかし、これまで詩が心理療法として体系的に考察されることはありませんでした。本書は、詩歌療法の基礎となる概念から詩歌療法の理論と臨床への適用、これまで精神医学領域で行われてきた詩による心理療法の実践まで、広く紹介して考察したはじめての本と言えます。心理療法における詩の大きな可能性に気づかせてくれるというだけでなく、詩の愛好家にとっても、新しい角度から詩をとらえるよい機会となる本です。
目次
詩歌療法─目次
目次
はじめに
第一章 詩の特徴
1 詩とは何か
2 文体論からみた詩
3 詩作の動機づけ
4 詩作過程の事例―大岡信「わが夜のいきものたち」
5 詩を読むとは
6 詩の了解心理学
第二章 詩の心理学
1 最初の詩の理論―アリストテレス
2 詩の動機づけ―フロイト
3 詩を生み出すもの――ユング
第三章 詩歌療法の理論
1 リーディの詩歌療法
2 ヘニンガーの詩歌療法
3 マッツアの詩歌療法
第四章 詩歌療法の適用
1 詩歌療法とブリーフ・セラピー
2 詩歌療法の適用例
3 詩歌療法の技法
第五章 連詩療法
1 連詩療法とは何か
2 コラボレイティブ・ポエム
第六章 俳句療法
1 俳句の心理的過程
2 俳句療法
3 ハイク療法
第七章 連句療法
1 連句療法の心理的過程
2 連句療法の適用
あとがき
註
引用文献(12)
事項索引( 5 )
人名索引( 1 )
装幀=難波園子