目次
まえがき――イーハトーブ童話のキーアニマルたち
第1章 フクロウ――鳥社会の日陰者
1 見た目は賢く、視野は狭い
2 失われた神性
3 境界を超える鳥、嫌われるフクロウ
4 悪禽のワケ
5 フクロウと月と罪
第2章 クマ――唯一の対抗者
1 恐ろしさと愛らしさ
2 愛嬌の移入
3 タブーとマタギ
4 信仰から管理へ
5 拮抗する力
第3章 キツネ――本能にあらがう嘘つき
1 キツネを愛しすぎる日本人
2 陰陽五行説と狐信仰
3 お稲荷さんではない
4 化かすキツネと化かさないキツネ
5 新時代の到来と世代交代
6 だます本能を克服せよ
第4章 タヌキ――私腹を肥やす横着者
1 日本の特産種
2 キツネ以外の化かすもの
3 キツネとキャラ被り
4 無限に膨らむ腹
5 待ち構えるから、目立たない
第5章 ネズミ――小さな簒奪者
1 注目されつづける動物
2 〈小〉ざかしい弱者
3 家ネズミと野ネズミ
4 病原菌の媒介者
第6章 アリ――近代社会の代表者
1 小さき他者、信用される目
2 太陽コンパスの発見
3 アリ学の発展と兵隊イメージの定着
第7章 カエル――迫害される芸術家
1 岩手県の夏と繁殖期
2 避けられたヒキガエル
3 醜い嫌われ者
4 陰を代表する虫
5 独自の視点で世界を見る
第8章 ネコ――世界を泳ぐ自由なもの
1 山猫と飼いネコ
2 狡猾と学問的優秀性
3 生物からの解放
4 風から生まれ、風に帰る
読書案内
あとがき――レイヤーとしての動物観