目次
                    はじめに 一柳廣孝
第1章 怪異を旅する:東雅夫インタビュー 聞き手:今井秀和/大道晴香
第1部 往く人、来る人
第2章 旅を棲家に、夢は枯野を……――江戸の客死と怪談 今井秀和
 1 異国人の幽霊
 2 旅先で死ぬということ
 3 幽霊ニ足ノ有ルコト
 4 唐に死す、大宰府に死す
 5 江戸の旅人と客死
 6 異郷と故郷と道中と
 7 客死の妖怪「ヒダル神」
 8 道中という〈非・日常〉
第3章 地方を旅する鬼太郎――怪異が生じる場所を求めて 清水 潤
 1 調布で生まれ育った鬼太郎
 2 地方へと旅立つ鬼太郎
 3 紅衛兵に追われた妖怪たち
第4章 「妖怪採集」のすすめ――日常を拡張するまなざしの獲得に向けて 市川寛也
 1 書を携えてまちに出る――あずき洗い橋を求めて
 2 歩く人のまなざし――テキストからの解放
 3 路上の発見者――妖怪の考現学
 4 まちで見つけた妖怪たち――隅田川妖怪絵巻の活動を通して
 5 聞き手から語り手へ――泪橋のことだま返し
第2部 異郷と故郷
第5章 蔵の中の近代――『会津怪談集』と妖怪博士 伊藤龍平
 1 『会津怪談集』について
 2 対比される近世と近代
 3 安部佐市という個性
 4 妖怪博士・井上円了との対峙
第6章 土地の神が〈怪異〉になるとき――泉鏡花「山海評判記」から 富永真樹
 1 「山海評判記」の〈怪異〉と白山信仰
 2 柳田国男の「学問」
 3 土地の神が結ばれるとき
第7章 岡本太郎とイタコ――「神秘」というまなざし 大道晴香
 1 《イタコ》ブームと岡本太郎
 2 「神秘」というまなざし
 3 「神秘の世界」としての東北
第3部 ここではない場所
第8章 尾張名古屋、魔の往く道――都市空間のなかのオカルト街道 小松史生子
 1 名古屋城下の妖怪屋敷
 2 名古屋城脱出ルートとオカルト街道の出現
 3 魔が駆け抜ける道――都市伝説と交通
第9章 よみがえれ、心霊スポット 広坂朋信
 1 人はなぜ心霊スポットに行くのか
 2 江戸時代の心霊スポット探訪記
 3 心霊スポットとはどんな場所なのか
 4 心霊スポットの危機
第10章 幽霊はタクシーに乗る――青山墓地の怪談を中心に 一柳廣孝
 1 幽霊が乗るもの――馬から自動車へ
 2 青山墓地という場所
 3 幽霊はタクシーに乗る
おわりに 今井秀和/大道晴香