目次
序 章 少年役を演じる女性声優――リミテッド・アニメーションと声
1 先行研究と残された課題
2 『ピノキオ』と『鉄腕アトム』
第1部 少年役を演じる女性声優の歴史
第1章 連続放送劇と民主化
1 敗戦後のラジオの役割
2 民主化推進のための連続放送劇
第2章 子どもを演じること――木下喜久子と『鐘の鳴る丘』
1 子どもの声の需要の高まり
2 子役起用の難しさ
第3章 他者との同期――一九五〇年代テレビ黎明期における声の拡張
1 声だけの演技から映像に合わせた声の演技へ
2 タイミングを合わせる吹き替えの演技
第4章 アニメのアフレコにおける声優の演技
1 読点「、」と三点リーダー「…」
2 身体感覚を声に込める
第5章 東映動画という例外――一九五〇年代末から六〇年代の子役の起用
1 東映の影響
2 東映動画のアニメ制作環境
第2部 ファンとの交流と少年役を演じる女性声優
第6章 アニメ雑誌とスター化する声優――一九七〇年代の変化
1 若者アニメファンの台頭
2 声優をスターにしたアニメ雑誌
第7章 声優とキャラクターの同一視――一九八〇年代の新人声優たち
1 キャラクターの顔を声優に仮託する
2 アイドルアニメと新人女性声優の親和性
第8章 「萌え」と「声のデータベース」――一九九〇年代におけるキャラクターの声
1 「萌え」というキャラクターへの愛
2 「萌え」と声
第9章 「萌え」の時代に少年を演じること
1 殻を打ち破った演技
2 女性を魅了する女性声優の声
3 女性声優はどこまで性を越境できるか
第10章 受け継がれていく「ずれ」と「萌え」――キャラクターに仮託された理想
1 継承されるジェンダーを攪乱する声
2 女性ファンの受容
補 論 アニメ関連領域から再考する少年役を演じる女性声優
1 声優の性別と受容者の期待
2 視覚と聴覚
3 声の力
おわりに