目次
序 章 手作りとジェンダー 神野由紀/辻 泉/飯田 豊
1 趣味・デザイン・ジェンダー
2 少年少女雑誌の基本データ
第1部 家庭生活に役立つ〈手づくり〉
第1章 「ジュニアそれいゆ」にみる少女の手芸 山崎明子
1 「ジュニア」の手芸
2 手芸をする少女の理想
3 言説の発信者としての男性知識人
4 忌避された「手芸」
第2章 「少女の友」「ジュニアそれいゆ」における「少女」「ジュニア」の人形 今田絵里香
1 「幼女」の人形――テンプル人形論争
2 伝統工芸品・芸術作品としての「少女」の人形
3 日用品としての「ジュニア」の人形
第3章 インテリア手芸と工作の時代 神野由紀
1 「ジュニアそれいゆ」における手作り
2 「ジュニアそれいゆ」から「私の部屋」へ
第4章 女子学生と手芸――「ジュニアそれいゆ」世代からの継承 中川麻子
1 女性コミュニティと手芸
2 「手芸」から「ハンドメイド」へ
第2部 〈自作〉する少年共同体
第5章 科学雑誌から生まれた工作趣味、鉄道趣味――戦前/戦中/戦後の「子供の科学」の内容分析から 辻 泉
1 なぜ科学雑誌なのか
2 「子供の科学」の内容分析
3 「子供の科学」は何を伝えてきたのか
4 工作趣味、鉄道趣味の形成過程を振り返る
第6章 工作記事は少年たちに何を語ってきたのか――戦前・戦中の「発明」に見る実用主義の精神 塩谷昌之
1 数値から見る工作記事の変遷
2 時代の技術と乗り物工作
3 工作記事が少年たちに語ったこと
4 戦前/戦中/戦後での変化の考察
第7章 動員される子供の科学――戦時下の工作と兵器 松井広志
1 戦時下の工作
2 一九四〇年代前半の「子供の科学」の位置
3 戦時下の「子供の科学」における軍事と模型
4 〈動員される子供の科学〉と工作/手芸
第8章 「科学」と「軍事」の呪縛――一九五〇年代の航空雑誌での模型工作の営み 佐藤彰宣
1 航空雑誌と模型工作の関係
2 航空雑誌編集者の遍歴――戦時体制前後の模型飛行機と雑誌
3 航空雑誌が誘う模型工作の営み
4 戦記ブームとの連動
第3部 〈手づくり〉と〈自作〉の境界を揺さぶる趣味の実践
第9章 日曜大工の社会史――男性の手作り趣味と家庭主義 溝尻真也
1 日曜大工にみる二重のジェンダー性
2 余暇活動としての日曜大工
3 日曜大工の展開
第10章 DIYとしての自主放送――初期CATVの考古学 飯田 豊
1 趣味文化としてのCATV
2 自作趣味×婦人会活動――郡上八幡テレビ
3 「Do It Yourself わたしのテレビ」――津山放送
4 プロシューマーとジェンダー
第11章 「社会化」する自作庭園鉄道――桜谷軽便鉄道のいま 塩見 翔
1 桜谷軽便鉄道とはなにか
2 桜谷軽便鉄道の製作背景
3 公開運転会とボランティアスタッフ
4 ボランティアスタッフが創造する「運転免許」制度
5 避けられたNPO化
あとがき 神野由紀