目次
はじめに――すべてがつながっていく 藤代裕之
第1部 歴史を知る
第1章 歴史――ソーシャルメディア社会の誕生 藤代裕之
1 ソーシャルメディアの歴史
2 つながりと分断
3 報道とソーシャルメディア
4 ミドルメディアによるマスメディアとの接合
5 公と私が入り交じる空間
第2章 技術――技術的に可能なオープンプライバシー社会とその功罪 木村昭悟
1 技術的に可能な「オープンプライバシー社会」
2 「つなげる」技術の仕組みと現状
3 いまそこにあるオープンプライバシー問題
4 「つなげる」技術がもたらす恩恵とのバランス
第3章 法――ソーシャルメディア時代の制度はどうあるべきか 一戸信哉
1 ネット上の権利侵害の広がりと表現の自由
2 インターネット関連法の発展
3 「媒介者」の責任――プロバイダ責任制限法
4 「素人」である一般ユーザーによる発言の責任
5 プライバシーとソーシャルメディア
第2部 現在を知る
第4章 ニュース――ソーシャル時代で改めて問われるニュースの「質」 伊藤儀雄
1 日本のインターネットにおけるニュースの担い手
2 ニュースを取り巻く3つの「変容」
3 不正確な情報流通と人々の分断
4 「悪貨」が「良貨」を駆逐する
5 フェイクニュースとプラットフォームの責任
第5章 広告――「ルール間の摩擦」が生む問題 山口 浩
1 ネットが広告ビジネスを変えた
2 口コミの広告化
3 広告とコンテンツの境界の融解
4 ルール間の摩擦
5 広告主の役割
第6章 政治――すれ違う政治と有権者、理想なきインターネット選挙の解禁 西田亮介
1 理念なきネット選挙の解禁
2 政治とメディア「慣れ親しみ」の終焉
3 高まるビジネスの影響力
4 高度化するプロパガンダ
5 ソーシャルメディアと政治の未来
第7章 キャンペーン――ソーシャルメディア社会の透明な動員 工藤郁子
1 個人を動かすキャンペーン
2 社会を動かすキャンペーン
3 個人が動かすキャンペーン
4 個人が動かされるキャンペーン
5 社会が動かされるキャンペーン
6 解決・提案に向けて
第8章 都市――都市の自由を私たちが維持するために 小笠原 伸
1 なぜ、大企業は都市に「隙間」を作るのか
2 自由な交流が都市を作る
3 高度化する都市の閉塞感
4 サードプレイスという新たなつながり
5 つながりすぎることの危険性
第9章 コンテンツ――コンテンツの拡張と対抗 松本 淳
1 クラウドファンディングが支えたコンテンツ制作
2 無視・対立から協調へ
3 ソーシャルメディアが変えるコンテンツビジネス
4 ユーザーと権利者との関係
第10章 モノ――「あらゆるモノがつながる社会」のメリットとデメリット 小林啓倫
1 ネットにつながるモノの急増
2 IoTの歴史
3 つながるモノが生み出す価値
4 「あらゆるモノがつながる」社会の姿
5 ディストピアを回避するために
第3部 未来を考える
第11章 地域――都市と地方をつなぎ直す 田中輝美
1 東日本大震災が変えたつながり
2 つながり続ける仕組み
3 「上下」から「水平」のつながりへ
4 「関係人口」と「風の人」
5 新たな競争
第12章 共同規制――ルールは誰が作るのか 生貝直人
1 情報社会のルール形成主体
2 事業者に対する規制
3 媒介者を通じた個人の規制
4 国際的なルール形成の可能性
5 自由と安全の両立のために
第13章 システム――システムで新たなつながりを作る 五十嵐悠紀
1 つながりすぎたソーシャルメディア社会
2 つながらない設計による解決
3 ノイズが交ざる設計による解決
4 フィルターバブルによるセレンディピティーの減少
5 人や機械による編集の課題
6 情報リテラシー教育の必要性
第14章 教育――「発信者」としての大学生はどうあるべきか 一戸信哉
1 大学生と「炎上」
2 「キャンパス」という聖域は崩れた
3 複数アカウントで「キャラ」を使い分ける
4 就職活動とソーシャルメディア
5 トラブル対策とソーシャルメディアガイドライン
6 「学生発」ウェブメディアの可能性
第15章 人――「別の顔」を制度化する 山口 浩
1 「つながり」のリスクとジレンマ
2 「分人」による有限責任制
3 分人制度の実装
4 事業者の責任
5 分人制度が目指すもの
あとがき 一戸信哉
[付記]
第4章「ニュース」の著者・伊藤儀雄は、2刷(2020年9月)の際に姓を三日月に変更した。
[三日月儀雄・記]