目次
はじめに 野辺陽子/松木洋人
序章 「育児の社会化」を再構想する――実子主義と「ハイブリッドな親子関係」 松木洋人
1 文化としての実子主義/歴史のなかの実子主義
2 「育児の社会化」を再構想する――実子主義×家族主義の四象限
3 三つのオプションのなかの実子主義と家族主義
4 何が「育児の社会化」を阻むのか
第1章 代理出産における親子・血縁 日比野由利
1 代理出産の歴史――体外受精を用いた代理出産の登場と母子関係の変化
2 商業的代理出産と生殖ツーリズム
3 依頼者のための妊娠・出産
4 他人の受精卵
5 生物学的なつながりの優位
6 エージェントの介入と依頼者による解除
7 棄てられる子ども
8 依頼女性――自分の卵子と第三者の卵子
9 ゲイカップルの依頼者
第2章 特別養子制度の立法過程からみる親子観――「実親子」と「血縁」をめぐるポリティクス 野辺陽子
1 特別養子制度の親子観
2 特別養子制度の立法の経緯と背景
3 立法の論点:1――養親子の表象:戸籍の記載をめぐる議論
4 立法の論点:2――実親子の法律関係をめぐる議論
5 「実親子」と「血縁」をめぐるポリティクス
第3章 「家族」のリスクと里親養育――「普通の家庭」というフィクション 和泉広恵
1 里親制度の変遷
2 被支援者としての「里親」の構築
3 「家族」からみる里親制度
4 「親」の役割と子どもの利益
第4章 「施設養護」での育児規範の「理想形の上昇」――一九六〇年代後半から七〇年代前半を中心に 土屋 敦
1 「新しい児童問題」の形成
2 戦後における乳児院と児童養護施設の増加
3 「施設養護」の子どもたちの出自
4 「実子家族」への児童福祉の関心の薄さ
5 「ホスピタリズム(施設病)」問題の形成
6 一九六〇年代後半から七〇年代前半の「新しい児童問題」の興隆
7 「育児の社会化」の四象限のなかの「施設養護」の現在的展開
終章 〈ハイブリッド〉性からみる「ハイブリッドな親子」のゆくえ――融合・反転・競合 野辺陽子
1 融合――「親子」の要素の分節/接合と解釈の政治
2 反転
3 競合――親子の序列化
あとがき