紹介
人はもちろんのこと、動物とも、ロボットとも、機械とも、宙空を飛びかう情報とも、私たちを取り囲む環境とも、また異見とも交渉を重ねていかざるをえない状況で、右往左往しながらも、相手を知るためのコミュニケーション・デザインを考える。●編者大坊郁夫(だいぼう いくお)1973年北海道大学大学院文学研究科博士課程退学札幌医科大学、山形大学、北星学園大学、大阪大学大学院人間科学研究科、東京未来大学を経て、2018年から北星学園大学および北星学園大学短期大学部学長主要著作に社会的スキル向上を目指す対人コミュニケーション(編著)ナカニシヤ出版 2005幸福を目指す対人社会心理学:対人コミュニケーションと対人関係の科学(編著)ナカニシヤ出版 2012対人社会心理学の研究レシピ:実験実習の基礎から研究作法まで(監修著)北大路書房 2016人を結ぶコミュニケーション:対人関係におけるウェル・ビーイングの心理学(著)福村出版 2022 心理学概論:Well-Beingな生き方を学ぶ心理学(編著)ナカニシヤ出版 2022●著者上野将敬小川一美上出寛子鈴木公啓高嶋和毅藤原 健宮島直子毛新華横山ひとみ渡邊伸行Robert Thomson
目次
まえがき
Part 1 コミュニケーションをデザインするために
序 持続する社会を築くコミュニケーションを考える[大坊郁夫]
1.社会とは
2.個人を結ぶコミュニケーションが社会を築く
3.コミュニケーションの成り立ち
4.多様なコミュニケーションを使う
5.ウェルビーイング社会のデザイン
Part 2 コミュニケーションの先端研究
第1章 コミュニケーションを「見える化」する[藤原健]
1.コミュニケーションをどう表し、共有するか
2.手動による非言語行動の抽出
3.自動化手法による非言語行動の抽出
4.これからの展開:多チャネルを同時に扱う
第2章 ロボットと人とのコミュニケーション[上出寛子]
1.ロボット工学と心理学
2.心理学の知見をロボットに適用した研究
3.ロボット工学と心理学との接点に関する他の知見
第3章 環境とのコミュニケーション[高嶋和毅]
1.働きかける環境(アンビエント)を研究する
2.コミュニケーションのためのアンビエント・インタフェース技術 Amibient Suite
3.発展する環境センサによる対話の計測と理解
4.環境ディスプレイやロボット型の空間インフラによる人々への働きかけ
5.おわりに
第4章 時空を超えるコミュニケーション[Robert Thomson]
1.序論
2.ソーシャル・ネットワーク・サイトの定義
3.SNSのパラドックス
4.文化や社会を比較する重要性
5.ネット上の行動・心理と社会生態学的アプローチ
6.SNSでの自己誇示行動
7.コンテクスト・コラプス
第5章 コミュニケーションの知識[小川一美]
1.コミュニケーションに関する知識
2.表情に関する知識
3.コミュニケーションに関する知識を測る
4.今後の課題
第6章 多文化共生のコミュニケーション[毛新華]
1.はじめに:グローバリゼーションにおける多文化共生の視点
2.文化の定義と主なとらえ方
3.異文化の理解と適応
4.多文化共生の実現に向け、文化的観点から考える「社会的スキル」
5.多文化共生の社会的スキル獲得には、トレーニングが必要
6.おわりに
第7章 外見のコミュニケーション[鈴木公啓]
1.身体の外観と装い
2.コミュニケーションにおける装いの位置づけ
3.外見と社会:規範と拒絶
4.社会に存在する虚実入り乱れた外見
5.自己に対するコミュニケーションとしての外見
6.まとめ
Part 3 コミュニケーションを活かす実践
第8章 医療場面のコミュニケーション[宮島直子]
1.医療の場の特徴
2.ヘルスコミュニケーション
3.医療場面のコミュニケーションの実際
4.臨床で用いられるコミュニケーション技術
第9章 アニマル・コミュニケーション:集団で暮らす霊長類の情報伝達[上野将敬]
1.はじめに
2.野外の霊長類を対象とする有用性
3.霊長類におけるさまざまなコミュニケーション
4.コミュニケーションにおける生得性
5.サルを通して人間を考える
第10章 モノ、環境とのコミュニケーション[渡邊伸行]
1.はじめに
2.コミュニケーションの3つの形態とコロナ禍の影響
3.人-機械-人のコミュニケーションの拡張
4.おわりに
第11章 職場のコミュニケーション[横山ひとみ]
1.職場の特徴
2.職場のコミュニケーション
3.職場の人間関係
4.職場のコミュニケーションの活性化に向けて
5.職場のコミュニケーションの今後の方向性
文献
索引
コラム1 沈黙のコミュニケーション[藤原健]
コラム2 微表情と嘘[藤原健]
コラム3 匿名性[Robert Thomson]
コラム4 アルゴリズム[Robert Thomson]
コラム5 ダブル・スイングモデル[毛新華]
コラム6 顔は変えられる[鈴木公啓]
コラム7 自分の社会的外見[鈴木公啓]
コラム8 サイエンス・カフェ[宮島直子]
コラム9 ホログラム[渡邊伸行]
コラム10 ダブルバインド[横山ひとみ]
コラム11 チーム・コミュニケーション(例:スポーツ)[横山ひとみ]