紹介
景気がいいのはごく一部のグローバル企業だけ。
ほとんどの若者は就職難や非正規雇用にあえいで
格差は広がるばかり――
そんな世界的な経済格差の拡大に振り回されず、
自立的に、助け合いの精神のもと、
オルタナティブ(もう一つの)企業として、
協同組合企業を立ち上げている人たちが増えている。
たとえば不動産投機取引をなくし85%の人が
持ち家で暮らすイタリア・ボローニャでは、
住宅協同組合で家を買う人も多い。
デンマーク・コペンハーゲンでは養蜂協同組合の
養蜂場がホームレスの雇用や緑の再生に貢献している…
などなど、
3人の韓国人ジャーナリストが取材した
世界中の最前線の多様な取組みを紹介。
1%の富裕層に負けない連帯経済のつくりかたの実践に
大きなヒントを与えてくれる。
日本での取組みの歴史と現状や可能性についても考える。
目次
もくじ(抜粋)
第一章 世界の協同組合の現場を行く
小さな町が豊かに生きることのできる秘訣:
協同組合のメッカ イタリア、ボローニャ
幼稚園協同組合「カラバク・プロジェクト」
シェフとウエーターの労働者協同組合「カムスト」
演劇も協同組合で「バラカ」
印刷広告協同組合
世界で一番幸せな国:デンマーク
風車も協同組合で回る風力協同組合「ミドルグロン」
持続可能な銀行を目指す協同組合銀行「メルクール」
国境を越える協同組合の連帯、乳加工協同組合企業
「アルラ・フーズ」
家族農業が支える幸せな農業強国:ニュージーランド
世界一の酪農農業組合「フォンテラ」
若き農夫の夢「ヤング・ファーマーズ・クラブ」
日常に溶け込んだ協同精神と文化:スイスとオランダ
消費者協同組合王国、スイス
オランダの協同組合銀行「ラボバンク」
まだ私たちが知らないことがある:
イギリス、カナダ、アメリカの協同組合
登山家たちの協同精神、山岳の国カナダを目覚めさせる
協同組合の元祖イギリス
アメリカを支える協同組合
アメリカ人の魂に根づく協同組合
第二章 協同組合を始めるには
現況はどうなっているか(韓国の場合)
理想的な協同組合を想像してみる
第三章 協同組合の大家と出会う
住みやすい社会を作る協同組合
ポーリン・グリーン(国際協同組合同盟会長)
ジョンストン・バーチャル(イギリス、スターリング大学教授)
持続可能な協同組合、若者に語り継ごう
マリア・エレーナ・チャベス(ILO:国際労働機構局長)
民主主義の価値を大事にしなければ協同組合は育たない
ステファーノ・ザマーニ(イタリア、ボローニャ大学教授)
エピローグ 「なぜ協同組合なのか?」