紹介
戦争記録文学の金字塔! 時代を超えて再び世に問う!
砲撃で負傷した左腕をかばいながら、
右手で自決用の手榴弾を探す。
「ない!しまった」と思う間もなく敵の手榴弾が炸裂し、
泥をかぶる。暗夜の戦い……。
気がつけば米軍の捕虜に!
「生きて虜囚の辱を受けず」という戦陣訓に縛られた
日本兵には、捕虜生活は『生きるべきか、死ぬべきか」
の葛藤の日々であった。
ハワイに送られ、やがてアメリカ本土へ。
未体験の世界に新しい可能性がほの見えても、
日本軍隊のしがらみは続く。
最終捕虜キャンプの「マッコイ病院」での
さまざまな出来事が、
「軍隊批判は天皇制批判である」という呪縛と
「日本人である前に人間である」という平凡な真実に
苦悩の末に気づいた大日向葵は、生きて還って来た。
目次
編者として………………………………よしだ きょう
マッコイ病院
序文……………………………………河盛好蔵
第一章 サイパン島の最後(昭和19年7月17日〜31日)
第二章 苦悩のハワイ生活(昭和19年8月〜10月)
第三章 アメリカ本土への旅(昭和19年10月〜12月)
第四章 日本軍隊の延長(昭和19年2月〜20年1月)
第五章 マッコイ病院(昭和20年1月〜6月)
第六章 生きて還る(昭和20年6月〜9月)
あとがき
付録 ゲーテル物語(サンデー毎日 大衆文芸賞受賞作品)
ゲーテル物語選評
戦後アラカルト……………………よしだ きょう
あとがき