紹介
津田塾大学にはタヌキが住んでいる!
都市の身近な自然を観察する楽しみと意義。
玉川上水は東京・多摩の羽村から杉並にいたる
30kmの細長い緑の帯。
そこには樹木が生えているだけではなく、
野草や低木もあり、それに支えられて
昆虫や鳥や哺乳類がいる世界がある。
玉川上水の自然を調べようと生態学者が地元市民と
観察会を続けてわかったことは……
ありふれた動植物を自分の目でじっくり観察すれば
新しい事実がたくさん見つかること、
貴重だから守るのではなく、ふつうの動植物に目を向け、
愛し、守っていくということだった。
本書は日本各地で自然観察を進める人々にも役立ちます!
グレートジャーニーの関野吉晴さんも観察会メンバーです♪
目次
高槻先生と玉川上水を歩いて――関野吉晴
第1章 ことの始まり
第2章 玉川上水とは
第3章 観察会の記録 - 春から初夏
コナラの新芽が芽吹き、スミレやアマナが
咲き始める。
花を訪れる昆虫を調べることを通じて
生き物のつながりを調べる、など。
第4章 観察会の記録 - 真夏から冬
群落調査や果実の観察を通じて生態学調査の
手ほどきを体験する。
子供を連れてタヌキのタメフンを調べる、など。
第5章 タヌキ調べ
津田塾大学にタヌキがいることをつきとめ、
タメフンをみつけて食べ物を調べたり、
プラスチックマーカーでタヌキの動く範囲を
推定する、など。
第6章 糞虫調べ
玉川上水だけでなく周りの公園などにも
糞虫がいることをつきとめる。
第7章 植物調べ
玉川上水を横切る群落調査や訪花昆虫、
果実の計測など。
BBC(イギリス放送協会)の取材など。
第8章 生きものを調べて考えたこと
観察を通じて玉川上水の価値や、
都市民が生き物にどう向き合うか、
動物に対する偏見は動物の側に立つことに由来する
といった思索を紹介する。
そして玉川上水や都市の自然のあるべき姿を模索する。