紹介
近現代の英米文学研究、殊にモダニズム文学研究に
インパクトを与えた「情動」を徹底解明!
19世紀的な「個人」が抱く「感情」を逸脱する「もの」、
あるいは個人的な主観性ではなく「間主観的」な集団性を
希求する政治的欲望=「情動」をめぐって
フロイト、フレドリック・ジェイムソン、ロラン・バルト、
ポール・ド・マン、ジェフリー・メールマン、
レイモンド・ウィリアムズ、ショシャナ・フェルマンらの
思想と並列させながら、
近現代の英米文学= D.H. ロレンス、ヴァージニア・ウルフ、
ロジャー・フライ、ジョウン・リヴィエール、
エドワード・オールビー、カズオ・イシグロ、
あるいは日本文学の三島由紀夫へおよぶテクストが
縦横無尽に読み解かれる、知的興奮に満ちた論考!
文学、理論、精神分析という差異を越境して
反復する「情動」のテクスト性を触知する初の試み。
目次
序論:
情動という近代心理学=
文学の内/外部に宿る「もの」
Ⅰ フロイトに抗う情動
第一章: D・H・ロレンス、否定性に宿るもの
第二章:ジョウン・リヴィエール、
母娘関係という過剰
Ⅱ 革命と情動
第三章:レイモンド・ウィリアムズ、
情動と集合性
第四章:D・H・ロレンス、
単独者とマルクス主義
第五章:バルト、ド・マン、メールマン、
情動と間テクスト性
Ⅲ 日常性に宿る情動
第六章:エドワード・オールビー、
冷戦と不気味なもの
第七章:三島由紀夫、天皇、冷戦、風景
第八章:カズオ・イシグロ、
「日本」を翻訳すること
終論:ジェイムソン、ウィリアムズ、フェルマン
情動と言語行為性
註
参考文献/索引
あとがき