紹介
昨年12月28日の慰安婦問題をめぐる
「日韓合意」は、被害を受けた女性たちが受け入れることの
できない「結末」であった。
最終的解決であるかのような意見が、日本だけでなく
韓国にも見られるが、そのゆくえはどうなのか?
被害者はどう受け止めたか?
「慰安婦」問題に対する安部政権のこれまでの姿勢と
今後の対応は?
日韓のみならず東アジア・東南アジアや国際社会に
どのような意味を有するか?
日本の「慰安婦」問題が戦時性暴力であり、日本政府に
法的責任があること、公式謝罪と賠償を行なうべきである
ことが、四半世紀に及ぶ調査と討論を通じ、国連人権委員会、
国際自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会(他)なども
日本政府に解決を求めてきた。
本書では歴史的経過と本質に立ち返り、議論の視座を再確認
しながら、「合意」の内実を明らかにし、批判的に検討する。
目次
第Ⅰ部 日韓合意をどのように受け止めるか
1.責任転嫁を許さない――梁澄子
2.責任と反省なき二重基準で、「私たち」はこの過去を終わらせることができるか――西野瑠美子
3.日韓合意に関する法的批判――川上詩朗
4.性奴隷制とは何か――前田 朗
5.安倍晋三と日本軍性奴隷問題――田中利幸
6.フェミニズム倫理学から考える、 日韓合意――岡野八代
7.「日韓は合意を白紙化すべき」――吉見義明
第Ⅱ部 「慰安婦」問題・日韓合意を批判する各界からのメッセージ
野平晋作/申惠丰/阿部浩己/矢野秀喜/土井敏邦/木瀬慶子/辛淑玉/小林久公/角田由紀子/崔善愛/大森典子/奥本京子/菊地夏野/庵逧由香/安世鴻/清末愛砂/乗松聡子/宮西いづみ/高橋哲哉/金富子/徐勝/元百合子/坪川宏子/岡本有佳/吉池俊子/方清子