目次
●目 次
第一部 時代の中の写真──昭和写真側面史
大束 元──昭和を甦らせる体当たり写真術の視角
植田正治──現実を夢幻化する世界/再構成する眼の構造
秋山庄太郎──夢幻をつむぐ/「黒」のイメージ/裸のポートレート/「平均値」の戦略思考/ 人気絶頂で断写外遊した四五歳定年説 ほか
三木 淳──『ライフ』と伴走した時代の表現行動体 ほか
白川義員──アルプス/ヒマラヤ/アメリカ大陸/聖書の世界/中国大陸/神々の原風景/仏教伝来/「聖」を撮る映像交響楽
第二部 写真の中の時代──固有のモチーフ
Ⅰ 天地憧憬──風景と風土
白簱史朗── 「第二の私」のいちずな山恋い
前田真三 ──自然と交歓する風景写真革命/新風景と原光景へ迫るディスカバー・ジャパン
薗部 澄──ふるさと探しの〝川恋い〟/ 「みちのくばか」の新たな飛躍
竹内敏信──「水」に見定める風景構想力/『大欧羅巴』の表現世界
丹地敏明──峡谷美の夢幻の声
高間新治──竹一筋に民族のこころを照射
南 良和──秩父から中国大陸へ伸びる農民写真家の眼
山本建三──「水」にはじまる京都
綿引幸造──風景写真家が彫刻写真家を兼ねる謎
宮嶋康彦──生の血脈が感応する自然の特異な気配
水越 武──森林に生と死のドラマを凝視する
Ⅱ 自然抱擁
佐々木 崑──小さい生命の誕生を祝う讃美曲
田中光常──「動物家族」の愛の詩
栗林 慧──ネイチャー・フォト元祖の挑戦
吉野 信──大自然舞台写真への道
中村征夫──華やぎの海の生きもの讃歌
今森光彦──虫権尊重の対話映像
Ⅲ 女体礼讃
池谷 朗──女体表現のパイオニア的遍歴
藤井秀樹──明日の表現めざす変貌
沢渡 朔──「ナディア渇仰」の夢とうつつ
長友健二──女心を華麗に開くとき
稲村隆正──踊り子讃美から女体耽美へ完熟の表現
中村正也──「西欧」と「粋」が同居する華麗なモダニズム/ 鋭敏な時代感覚
Ⅳ 人間模様
田沼武能──童心をさぐる望郷
齋藤康一──「さりげなさ」のリアリティ
橋口譲二──人間地図をラディカルに
榎並悦子──秒速五〇センチの下町余情の路地劇場
飯島幸永──「寒流」から「花鳥画」までを凝視する眼
小林紀晴──アジアから日本列島へ環流する「自分への旅」
高村 規──『智恵子抄』を辿る血族憧憬
中谷吉隆──遥かなる大地への憧憬と渇仰
Ⅴ 街村空間
熊切圭介──「時」の中に浮かぶ人像的街景
木村恵一──「江戸」と「京」を貫く水脈
野上 透──「晴天」願望の夢と現実
武田 花──花さんの「景色」は何色
大西みつぐ──「ワンダーランド」の二重刷り世界
須田一政──闇からの光景を追いつづける記憶
Ⅵ 時代の光景
林 忠彦──視覚的ストーリーの語り口/時流を鋭写した 「戦後昭和」の肖像
浜口タカシ──報道写真家に徹する眼/執情の人の涙の塔
桑原史成──「水俣」から始まった危機意識の視覚化
臼井 薫──師土門拳と伴走した社会的リアリズム写真の苦悩と栄冠
奥村泰宏──よみがえる占領期の記憶の街
芳賀日出男──折口民俗学の映像化の心模様
児島昭雄──命の蘇生感覚で視る戦後
吉田昭二──夢幻の記憶を刻む方法的写真家
三好和義──「楽園」司祭者の快美性
大倉舜二──血統の美意識が視る想像力
杵島 隆──やまとごころを追求する光と影
土田ヒロミ──時代の表徴を追跡する想像力
細江英公──「いのちのかがやき」への渇望
Ⅶ 海越える視野
奈良原一高──光空間へかざす戦慄の旋律
渡部雄吉──「死者の甦り」の荘厳美
北尾順三──時流を掴んだレジャー写真家のもう一つの眼
南川三治郎──行動的感性の「前髪掴み」のヨーロッパ攻め
野町和嘉──地平線眺望の渇望