目次
日本の読者の皆様へ
I アトウッド・ワールドのサーチライト
解釈空間におけるアトウッド〜解体/再構築
脱中心の奇妙な物語〜カナダという文脈
物語も人間も複数で
サークルを破ってウィルダネス(荒野)へ!
包み紙を捨てよう
変身のシナリオ〜おとぎ話と継母
サバイバル〜生みつづけること
新しい自伝〜ポストコロニアリズムとフェミニズム
作家を取り巻く環境〜トロント大学とノースロップ・フライ
一面だけの現実〜リアリズムの問題
毒/薬の作り方と利用法
契約はキャンセルにして〜ジャンル
パロディ〜パリンプセスト
発話行為〜視点の問題
脱皮する蛇のように〜メタフィクション
気がつけば同居人(吸血鬼)
敵は内部にあり〜越境者であること
カナダのレンズを通した辺境のゴシック
語りつづけるシェへラザード
絞首刑執行人(ハングマン)と結婚しよう!
声を聴くこと
自分との不一致〜過去の解釈から立ち上る「わたし」
触れるという魔術〜感情の領域
犠牲者の物語はエコシステムのなか〜死につつあるウィルダネス
共同体と自我の消失点
過去との交渉
II インタビュー
インタビュー1 作品と現実との接点 [聞き手]本書執筆者一同
インタビュー2 未来へのまなざし [聞き手]本書執筆者一同
インタビュー3 ライフ・アフター・マン……SFと科学 [聞き手]エリナ・ケイス/マギー・マクドナルド
III 作家経歴
IV アトウッドを読むためのキーコンセプト
I パワー・ポリティクス
パワー・ポリティクス(力の政治学)/サークル・ゲーム
ダブル(ツウィン/二重人格/双子)/カニバリズム
身体/暴力/いじめ/トラウマ(心的損傷)
ラプンツェル症候群/母と娘/コスチューム
II 「語り」のアート&フレイム
「語り」/「物語」/神話・おとぎ話 /記憶/自伝/歴史
パリンプセスト/メタフィクション/キルト/ゴシック・ロマンス/鏡
III 背景・思想
カナダ/ポストコロニアリズム(ポスト植民地主義)/フェミニズム
サバイバル/ニュー・サイエンス/文明批判/自然/ウィルダネス(荒野)
ウェンディゴ(人食い巨人)/シャーマニズム/ポストモダニズム
V-1 アトウッドの作品を読む
『食べられる女』〜「拒食」という名の自己表現
『浮かびあがる』〜〈はだか〉になった巫女
『レディ・オラクル』〜〈アンチ・ゴシック〉という名のパロディ
『ライフ・ビフォア・マン』〜遠い場の記憶
『ボディリー・ハーム』〜記憶の呪縛から脱出するラプンツェル
『侍女の物語』〜「わたしだけの部屋」のハンドメイド
映画『侍女の物語』〜昼の世界/夜の待合室
『キャッツ・アイ』〜記憶の中のブラックホール
『寝盗る女』〜未来へひらく解体新書
『またの名をグレイス』〜深紅のシャクヤクが語る歴史物語
『昏き目の暗殺者』〜螺旋状に立ち昇る「物語」の力
『オリックスとクレイク』〜新人類からの問いかけ
『ぺネロピアド』〜なぜ女中たちはつるし首にされたのか
V-2 アトウッドの作品を読む
【短編(ショート・フィクション)集】
『ダンシング・ガールズ』〜「異なるもの」とどう向き合うか
『青ひげの卵』〜「語り」の実験室
『闇の殺人ゲーム』〜テクストの殺人
『ウィルダネス・ティップス』〜現代カナダの人間模様
『モラルの混乱』〜20世紀の家族のアルバム
【アトウッドの詩について】
【ノンフィクション】
『サバィバル——現代カナダ文学入門』
『奇妙なこと——カナダ文学における悪意にみちた北部』
『死者と対話して——書くということに関する作家の一家言』
『第二の言葉』および『動く標的』
▼コラム▼
アトウッド・ペイパーズ/アトウッドの絵と本/
オペラ『侍女の物語』の夕べ/トリックスターとは?
アトウッドの童話/アトウッドと生物学史家ダナ・ハラウェイ
▼ビブリオグラフィ▼