紹介
●3戸に1戸が空き家に?
いまや全国の空き家率は15%を超えている。今後は都市部でも空き家が急速に増え、33年には空き家率が30%を超える。誰も住まず、放置された空き家は廃墟と化して、景観の悪化だけでなく、倒壊や火事、犯罪の危険性も増加する。
●意識改革が鍵になる!
それにしてもシャッター通りやゴミ屋敷は話題になるが、空き家利用の成功事例がほとんど聞こえてこないのは、なぜだろう。中川寛子氏は「空き家になっても手放そうとしない所有者に問題あり」と指摘する(本誌32ページ)。確かにマイホームを購入することは、高度成長期における日本人の夢だった。ようやく住宅ローンを払い終わり、思い出の詰まった我が家は、空き家といえど簡単には手放せない。だが荒れ果てた家は廃墟になるだけだ。他方、借り手の側も発想の転換が必要だ。廃業した飲食店を居抜きで借りて、同様の商売を始めても失敗する可能性は高い。
所有者と借り手の発想が変われば空き家は地域を元気にする新たな資源となります。全国各地で始まった明るい事例をご紹介。空き家の新たな活用方法をご一緒に考えませんか。
目次
『空き家で街を元気に』困った住宅・店舗の活用法
I どうして、こうなった 空き家問題への考え方
●FOR READERS マンション大暴落を見据え目の前の空き家問題を考える
●やわらかくてしぶとい、人口減少時代の都市デザイン(首都大学東京教授 饗庭 伸)
●不動産はもう儲からない、空き家活用のポイント(住まいと街の解説者 中川 寛子)
●空き家問題の解決は所有者の「悩み・願いの開示」から(起業支援活動家 松村 拓也)
II だから、こうする 困った住宅・店舗の使い方
●親族のいない故人の家をコミュニティカフェとして活用(楽多舎)
●家開きをして多世代多国籍の人が集う場に(カサコ)
●安心して私らしくいられる場所を求めて(ふらっとスペース金剛)
●みんなでシェアすれば一軒家生活も楽しめる(中山モダンハウス)
●団地の衰退した商店街、その光景が住民を動かした(クルトコ)
●様々なサークルに人が集う、ここは地域の文化の中心(ほーぷサロン)
●区民の主体的なまちづくりを丁寧に支援したい(世田谷トラストまちづくり)
●Interview…空き家でどんなまちづくりができますか?(世田谷区長 保坂展人)
●column…移住希望者をバックアップ(山形県遊佐町)
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●韓国語翻訳家の日々 子育てはつづくよ(第1回)
子ども農業で気楽になりません?(韓国語翻訳家・ライター 斎藤 真理子)
●悼みの列島日本を語り伝える(第5回)
海を越えて来た少女たちは、いま(ライター 室田 元美)