目次
●はじめに
■虐待の世代連鎖を断つ方法
母親の育児日記/「親がまだ生きている人へ」/「世代連鎖」は支援のため/愛する対象の支配
/世代連鎖の生じ方/連鎖がマイナス方向を目指した/「否認」を打ち破る
■連鎖を知って「流れ」が変わる
衝撃的な出会い/「当たり前のことが本当にわからない」ということ/自殺をしない理由/矛盾に引き裂かれた心/甘えとは、受け止められること/風向きを変えた一言
■私は「鬼畜」、死んだほうがいい
「すみません」が口癖/子どもをいたぶる日々/私は鬼畜──「試し」と期待/少女時代の「生き地獄」──父親の虐待/思春期以降──屈従から自立へ/抑圧されていた「親への恨み」/「わかってほしい」/「過去」と「現在」のつながり/「嫌だ」と言えた/生まれて初めての「温かい手」/プラスの力、マイナスに引き戻される力/「家族の絆」を求めて/父親に立ち向かう心/父親の「代理」/エンパワー──自分を生きる
■許せないのは、好きだから?
嫁いでわかる「自分の家」/酒に走った父への恨み/夫に見る父親の影/甘えたい心/あんな父でも愛されたい/揺れる心──怒りと許し/藤──父への手紙/決意──ぶつけよう/「それでも好き」と言わせて
■私は許さない
「語り」のきっかけ/子どものせいにして叩く/子育ての当惑/連鎖に気づき、自責が止まる/子ども時代──叩かれて謝る/「当たり前のこと」と思っていた/「自分の姿」「母親の姿」/社会の温かい目/こんな私が役に立てる/あふれだす母への恨み/自分を嘆く「ピーク」のあと/自分史に「歩み」を実感する
■開かれたパンドラの箱が閉じるまで
連鎖を断った「卒業生」/少女から母親へのサバイバル/開いた「パンドラの箱」/命を賭けた「スプリット」/「死と再生」のテーマ──人生の転換/小学校乱入事件の刺激/予期せぬ子どもとの対決/後進たちへ──「連鎖を断つコツ」/そして今──「自分史」に触れて
■二つの世代が手をつないだら
息子を救えなかった無念/「連鎖」を知ったあと/二世代協力して連鎖を断つ/父──息子の対決が始まる/家族というシステム/余儀なくされた「対決の中断」/襲う「母子」の幻影/過去を清算する旅へ/深く諦めること
●終章——虐待の連鎖をどう扱うべきか
否認から対決、和解への道/対決させず、否認を壊さない/加害者の被害者性/社会の責任を問う
前書きなど
◆本文より
「これだけ大切に思っているのに、どうして子どもの顔が腫れるまで叩いてしまうんだろう。なんで自分は、こんな人間なんだろう……」
虐待してしまう自分に悩む親の多くが、世間の目に怯え、自己嫌悪と罪悪感に苦しんでいる。
「世代連鎖」という考え方は、まず、「虐待する親は悪い」と決めつけ、それだけで片づけようする態度を是正する。
◆女優・東ちづるさんの推薦文(本書の帯より)——
親子関係を考えようと、
母娘で長谷川先生のカウンセリングを受けた。
結局それは自分自身の心に寄り添うことだった。
そして今、私たちは連鎖を断ち切り、
“生きなおし”を始めたところだ。
人はかならず変われます。
…………………………………東ちづる(女優)