紹介
折口信夫の最後の弟子が
後世に残す
折口信夫のエッセンス
日本人の神観念を一新させた「まれびと」発見への道程
本シリーズは、折口信夫(1887年~1953年) の学問研究および釈迢空の筆名で発表された詩歌の作品をも含めた、全著作からのアンソロジー。編者は、最後の弟子であり、歌人でもある岡野弘彦。以前から心に秘めていた師・折口信夫の精選の「詞華集」である。
折口は生涯に亘って何を求めたのか――。若い人々の篤い心で読まれることを企図している。
日本人の神観念を一新させた折口信夫の「まれびと」。日本列島に住み着いた祖先の異郷への憧憬と、その異郷から時を定めて来訪する神は、人にして神なるものであり、人の扮した神であるから「まれひと」である、という発見への道程を、本『精選Ⅰ』では「文学以前」「芸能以前」とも言うべき南方論を含む「異郷論」、「聖水信仰論」、「祭祀論」などでとらえるものである。
目次
凡 例
妣が国へ・常世へ 異郷意識の起伏
国文学の発生(第三稿)まれびとの意義
*
琉球の宗教
水の女
若水の話
*
神道に現れた民族論理
道徳の発生
*
ほうとする話 祭りの発生 その一
髯籠の話
先生との縁の始まりと終わり 岡野弘彦
解 題 長谷川政春