紹介
▼あなたにも魚のような胎児期があった?
私たち人間を含めた動物が胎児(胚)のとき、遠い何億年も前のご先祖様と同じ姿をしていたかどうか――進化発生学(エボデボ)にまつわる150年以上も未解明の大問題に挑んだ著者を待ち受けていた結末とは!?
当時抱いていた疑問を一言で表現するなら、「発生を遡るほど、ご先祖様の姿に近くなるのか?」。なんで、こんな素朴な疑問に対する答えが、どの教科書を見ても、ちゃんと書いてないのか。私は歴代の学者たちが残した仮説や考えに魅了(翻弄?)されてしまい、とにかくこの問題が頭から離れなくなってしまった。自分の理解としては、一蹴するにはどうも証拠が足りない、かといって信じるには証拠が足りない。どうにか科学的に検証できないものか…… <「はじめに」より>
目次
第1章 胎児期に祖先の姿が現われる?
1.1 みな胎児期はシンプルだった
1.2 寄り道をする発生過程
1.3 大胆な予言
1.4 発生過程にみたご先祖様
1.5 行き詰まった進化と発生の関係性解明
第2章 遺伝子DNAが明らかにした祖先の痕跡
2.1 連絡の原理
2.2 分子プログラムに刻まれたさらなる祖先情報
2.3 門の境界を越えていた動物たち
2.4 書き換えられた家系図
2.5 揺れ始める初期胚保存
2.6 発生砂時計モデル
2.7 反直感的な仮説
第3章 漏斗モデル 対 砂時計モデル
3.1 ヘッケルの魚とファイロティピック段階
3.2 提灯モデル
3.3 混沌とした状況のなかで
3.4 ブレークスルー ―― 分子レベルからの検証
3.5 再燃する論争
3.6 数億年前に分家した一族を集める
3.7 ファイロティピック段階は魚ではない
第4章 入れ子の砂時計とモンスター
4.1 くびれがずれた入れ子の砂時計
4.2 形態学的モンスター
4.3 鼻がよくきくカメの起源
4.4 くびれがずれた入れ子式砂時計モデル
第5章 残された謎
5.1 なぜくびれる?
5.2 砂時計はどれだけ大きい?
5.3 最も進化した生物は?
おわりに
参考文献
索 引