紹介
オランダにおける医事刑法分野の最新状況を詳説。▼安楽死審査法施行後の状況、緩和的鎮静と安楽死をめぐる問題、人工妊娠中絶法、後期妊娠中絶、重度障害胎児および新生児に関する生命終結の決定、臓器提供法等、オランダにおける医事刑法最新の議論・立法・その施行状況、そして判例に関して、ペーター・タック教授が紹介、解説する。▼医事法の第一人者・甲斐克則教授による編纂・邦訳。甲斐教授による解説も付す。安楽死議論、臓器移植議論においてわが国でも参考とされることの多いオランダの医事刑法分野に関する最新の議論状況を把握できる。▼オランダにおける、2001年「要請に基づく生命終結および自殺幇助(審査手続)法」、刑法典の「堕胎罪規定」、「人工妊娠中絶法」なども参考資料として、邦訳して掲載している。
目次
はしがき第1章 オランダにおける安楽死論議の展開Ⅰ 序Ⅱ 緒論Ⅲ 立法府かそれとも司法府かⅣ 安楽死に関する(最高)裁判所の判例法Ⅴ レメリンク委員会報告書Ⅵ 届出手続Ⅶ 対応としての新たな政策Ⅷ 2001年・要請に基づく生命終結および自殺幇助(審査手続)法Ⅸ 結 語〔参考資料・翻訳〕2001年・要請に基づく生命終結および自殺幇助(審査手続)法第2章 オランダにおける緩和的鎮静と安楽死Ⅰ 序:オランダにおける安楽死をめぐる近年の問題状況Ⅱ 緩和的鎮静のためのガイドラインⅢ 結 語第3章 オランダの要請に基づく生命終結および自殺幇助(審査手続)法採択から5年を経てⅠ 序Ⅱ 地域審査委員会の2005年度および2006年度の報告書Ⅲ 緩和ケアⅣ 安楽死等審査法5年の評価Ⅴ 結 語第4章 オランダにおける人工妊娠中絶Ⅰ 序Ⅱ オランダにおける人工妊娠中絶の歴史Ⅲ オランダ議会における人工妊娠中絶を求める10年の闘いⅣ 1981年・人工妊娠中絶法Ⅴ 実践における妊娠中絶法Ⅵ 結 語〔参考資料・翻訳〕刑法典の堕胎罪規定、人工妊娠中絶法第5章 オランダ刑法における後期妊娠中絶Ⅰ 序Ⅱ 医学的側面Ⅲ 法的諸問題Ⅳ 医学界からの反応Ⅴ 重度の胎児性欠損のカテゴリーⅥ 法的諸側面Ⅶ 致命的欠損のケースにおける届出と審査Ⅷ 致命的でない欠損のケースにおける届出と審査Ⅸ 結 語第6章 オランダにおける重度障害胎児および新生児に関する終末期の決定Ⅰ 序Ⅱ 問題状況Ⅲ 医学界の動向Ⅳ プリンス事件およびカダイク事件とその後の展開Ⅴ フローニンゲン・プロトコールと評価手続および相当の注意(due care)の基準Ⅵ 若干の批判的論評Ⅶ 検察官の意思決定第7章 オランダの臓器提供法に関する最近の展開Ⅰ 序Ⅱ 脳死プロトコールⅢ 臓器提供法Ⅳ 登 録Ⅴ 応答しない人がなぜそのように多いのか?Ⅵ 西ヨーロッパにおける様々なドナー・リクルート・システムⅦ 臓器提供の割合を増やすプログラムⅧ 潜在的ドナーの利用を最大活用する手段Ⅸ 結 語編訳者解説・あとがき事項索引初出一覧