紹介
バブル崩壊後、金融機関の不良債権処理に効果を上げた金融検査マニュアルが、2019年12月に廃止されました。これに伴い、新しいガイドラインといえるデスカッション・ペーパー「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」が制定されています。
今後はこの新ガイドラインに基づいて、新しい考え方・手順の検査・監督が金融庁により実施され、各金融機関は適切に対応することが求められます。
そこで本書では、金融検査マニュアルの制定の経緯、廃止までの経緯、金融行政方針・監督指針との関係性、新ガイドラインの内容とポイント、信用格付・償却・引当の見積方法などの融資実務などを解説。金融機関の経営者・社外役員・内部監査部門はもちろん、一般職員も読んでおくべき一冊です。
目次
はじめに
第1章 そもそも金融検査マニュアルとは何だったのか?
◇金融検査マニュアル設定の背景と経緯
◇金融検査マニュアルの役割の変化と弊害
◇金融行政方針・監督指針・金融検査マニュアルの位置付け
第2章 金融検査マニュアルが求めてきたガバナンス態勢
◇ガバナンスのチェックに必要な4つの観点
◇代表取締役・取締役および取締役会による経営管理体制の整備・確立状況
◇内部監査態勢の整備・確立状況
◇監査役・監査役会による監査態勢の整備・確立状況
第3章 検査マニュアル廃止後の「融資に関する検査・監督」の基本的考え方
◇金融検査マニュアルを廃止したのになぜ類似するガイドラインが必要か?
◇金融機関の経営理念・戦略に応じた検査・監督とはどのようなものか?
第4章 引当への反映はどのように行われるのか?
◇形式を重視する債務者区分と不適切な引当が背景となった実情
◇今後、検査・監督を行うに際してどんな視点が求められるか?
◇ディスカッション・ペーパーにおける参考事例から得られる示唆
第5章 融資に関する検査・監督はこれからこう進められる!
◇金融庁における各階層への期待と検査の視点
◇レグテック(RegTech)で検査・監督はこう変わる
おわりに